輝く星よ。

ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~②
『ブライト・スター~いちばん美しい恋の詩(うた)~』(2009)
●観た理由●
題材と美しい映像に惹かれて。
●覚え書き:この映画を観て思ったこと●
『愛する女(ひと)
昨日が忘れられない
夢のような一日…
僕は君の意のままだ
これからも昨日の優しさで
接してくれると約束を
君の輝き
比類なく繊細な その光
心を奪われ
この体が溶けてゆくようだ』

実在した英国詩人ジョン・キーツ(1795-1821)と
彼が愛した女性ファニー・ブローン(1800-1865)との関係を描く物語。
舞台は1818年、ロンドン郊外のハムステッド。
すべてにおいて僕が好きな世界観だった。
慎ましさと感情の抑制が美徳とされる時代…
時折、自分が生まれる時代を間違ったのではないかと思えるくらいに憧れる世界。
ジェーン・カンピオン監督が描く世界観はソフィア・コッポラ監督と似ていて、
どこか全体的に少女趣味なところを感じる。
ファニー・ブローン役のアビー・コーニッシュはとても慎重に演じていたと思う。
彼女の容姿はシャーリーズ・セロンに似ていた。
ジョン・キーツ役のベン・ウィショーは苦手な若手男優のひとりで、
なぜか僕が観たいと思う作品に必ず出演している。
ある意味、作品選びのセンスが似ているということなのか。
でも今回に限ってはとても魅力的かつ、この役柄にとてもピッタリで、
彼に対する評価がすっかり変わり苦手ではなくなってしまった。
絵画を見ているような眩い映像と、
当時にしては斬新だと思えるファニーのファッションが美しく印象に残る。
ファニー&キーツ二人の恋の高揚感が伝わる、
“だるまさんがころんだ”風なシーンも印象に残ったり。
キーツとの恋に一喜一憂するファニーの姿はまるで過去の自分の恋愛風景を見ているよう。
キーツの編集者であるチャールズ・ブラウン(ポール・シュナイダー)は
最後まで好感が持てない人物だったけれど、
実際の彼はキーツ亡き後、子息と共にキーツの功績を後世へ伝えるために尽力したという。
カンピオン監督が最後にその辺りを触れなかったのは、
ファニーに対するせめてもの抵抗なのだろうか。
ファニーの弟サミュエル(トーマス・サングスター@『ラブ・アクチュアリー』)&
妹トゥーツ(イーディ・マーティン)の二人が作品の重苦しいトーンを
時に軽くしてくれるオアシス的な存在となってくれたことが良かった。
特に妹のおしゃまな姿は愛らしく微笑ましかったな。
本編終了後のエンドロールすべてが音楽に取って代わり、
ジョン・キーツの詩の朗読だったことがとても新鮮に感じた。
勝手ままならないこの時代だったからこそ、“輝く”物語でした。
『輝く星よ
その誠実なきらめきは 夜空に高く孤独を知らぬ
その目は永遠の瞼を開き
受難者か隠遁僧のごとく見守りつづける
世を取り巻く大地の岸を 絶えず清め 流れ水を
その目はまた 山や沼を覆う 淡き初雪を見守る
永遠に誠実にして変わることなし
恋人の豊かな胸を枕にその柔らかなうねりを感じつつ
目覚めよう 甘き不安の中で
静かに彼女の息づかいを聴き
永遠の生か恍惚の死を求めん』

──『輝く星よ(ブライト・スター)』より。
●満足度●
★★★★★

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6 Comments

RAY says..."この映画は・・・"
あ、この映画は渋谷Bunkamuraでかなり前に予告編を観た瞬間、「そのうちWOWOWで放映になったら母親に教えてあげないと」って印象の作品で、いかにもうちの母好みの「絵」だなと思いました。

と同時に「これ、絶対、Elijahさんも好きそう」って思っていましたよ!
ほんとうちの母とElijahさんの美的嗜好は近いですねぇ。私ももちろんこういう詩的で美的な映像は好みなのですが、W杯にかまけていた間に時間が経ってしまって 笑
観ないまま公開終了してしまうかも?!

最近、全然、映画を観ていなかったのですが、WOWOWで観た50年代のフランス映画で「白い馬」「赤い風船」の2作は、絵本のように素敵な世界観で刺さりました。
もしDVDなどで観賞の機会がありましたら、良かったらチェックしてみて下さい。
「白い馬」の方がElijahさん好みかも。
※コチラです ⇒ http://ballon.cinemacafe.net/
2010.07.13 22:42 | URL | #ld/yCnUI [edit]
Elijah(管理人) says..."RAYさん。"
RAYさん

こんばんは!
この映画はいかにも“ル・シネマ”で上映しそうな作品ですよね。
あはは。僕の傾向を良くお解りで♪
やはりRAYさんのお母様と美的嗜好が似ているんですね。
僕はホントにこういう作品にタマらなく惹かれます。
映像は本当に絵的でとても美しかったです。

W杯も終わってしまい、今のRAYさんは“燃え尽き症候群”じゃないでしょうか。笑
僕は毎度のことなんですが人よりかなり遅れて
今頃になって、MF本田圭佑とGK川島永嗣が好き!とか言っています。汗

RAYさんオススメの『赤い風船/白い馬』。
実は2008年に映画館で観ています。
感想は短いのですが、こんな感じです↓
http://eplace.blog19.fc2.com/blog-entry-606.html
2010.07.13 23:35 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
RAY says..."チェブラーシカ!"
おっと「白い馬」と「赤い風船」、ご覧になっていたんですね!
08年の夏ってまだElijahさんと知り合う前だから存じてなかったんだわ。
私もシネスイッチ銀座で2年前にリバイバル上映した時に観たかったんですが、仕事が忙しい時期で見逃してしまったんです。

ちなみに私の場合は2作品とも絶賛モードです。
120%「これ、私の映画やんっ!」って感じの作品でしたので 笑

それより、チェブラーシカ!!
こちらは原画の絵本まで持っているくらい影響受けてますよ。
タッチといいストーリーといい、単に可愛いだけでなく、どこか切ない感じがするところが大好きです。
2010.07.14 00:09 | URL | #ld/yCnUI [edit]
Elijah(管理人) says..."RAYさん②。"
RAYさん②

再びコメント、スパシーバ!
そうですね。丁度、2年前の今頃に観ていました。
『赤い風船/白い馬』はRAYさんが刺さるのは解る気がします。
どこか絵画的な匂いを感じますし。

逆に『チェブラーシカ』はRAYさんが刺さるか、刺さらないかの両極端だと思っていました。
影響を受けるくらい好きだったんですね。
そうなんです。この作品って、
単に可愛いだけじゃなく切なさを漂わせているところもイイですよね。
ちなみに、12月18日~日本製作Ver.の新作が劇場公開されるってご存知ですか??
http://www.cheb-kuma.com/index.html
僕は早くも抵抗気味ですが(苦笑)、『ノルウェイの森』とハシゴでぜひ。笑
2010.07.14 01:27 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
RAY says..."日本製作Ver.?!"
えー?!そんな日本製作ヴァージョンなんて、大阪弁的に言えば「いらんやろっ」ってば! 
あれはロシアで作っているからこそ、世界観が刺さるのに・・・

あ、ちなみに、基本的にカワイゲに欠ける(←笑)ワタクシですが、実は子供の時は絵と同じくらい人形作りが得意で、チェブみたいな人形を自分で手製で作ったりしていたんですよー、自分でちゃんとデザインして!

ところでまったくのトピ違い、しかもTwitterへのツッコミでなんですが・・・「ノルウェイの森」はそうそう、小説の冒頭で、主人公の「僕」が37歳のある日、飛行機の中で耳にしたビートルズの”Norwegian Wood”から、大学時代の思い出の女性、直子を思い出す・・・ってところから始まるんですよ☆
2010.07.14 23:05 | URL | #ld/yCnUI [edit]
Elijah(管理人) says..."RAYさん③。"
RAYさん③

『チェブラーシカ』の日本製作Ver.、“要らん”でしょ!
そうそう。ロシアで製作されていたからこそ意味があると思うんですよね。
どうも商業主義に走った感があります。

RAYさん、“絵”以外にも“人形作り”が得意なんですね!
僕も子どもの頃にフエルトでチマチマと“物体らしき物”を作ったことがあるんですが、
完成度はかなり低かった記憶があります。
子ども心に自分には向いていないと察知して、それ以降、二度と作ったことがないんですよね。
両親は手先が器用なんですが、僕は周囲の誰もが認めるほどの不器用なんです。苦笑
ちなみに“絵”も恐ろしくらい下手です。汗

『ノルウェイの森』とTHE BEATLESの繋がりは
今日知ったばっかりで、本当に驚かされました。
村上春樹氏とTHE BEATLESは結びつかなかったですもん。
増してや冒頭のエピソードから印象的な使われ方をするなんて想像もつかなかったです。
そう言えば、チラリと立ち読みした『考える人』のインタビューの中で
村上氏が“映画のエンドロールは観ない主義”と言われていたので、
その点に関しては絶対に僕とは意見が合わないなと思いました。笑
2010.07.14 23:50 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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