兄弟。

マイ・ブラザー
『マイ・ブラザー』(2009)
※注意!ややネタバレしています※
●観た理由●
トビー・マグワイア、ジェイク・ギレンホール、ナタリー・ポートマンの競演作なので。
デンマーク映画『ある愛の風景』(2004)のハリウッド・リメイク作だから。
ある愛の風景
●覚え書き:この映画を観て思ったこと●
スザンネ・ビア監督のオリジナル版は2008年の4月にスクリーンで観ている。
観てからの年数が浅いだけに、ついつい確認作業的な見方になってしまった感あり。
ジム・シェリダン監督による今回のリメイク版はオリジナル版に忠実だったと思う。
最初にこのリメイク版の製作を知った時は主演俳優3人の容姿が幼すぎると思い心配していた。
でも、それは杞憂に終わり彼らは確かな演技力で補っていた。
主演俳優であるトビー・マグワイア(34)、ジェイク・ギレンホール(29)、
ナタリー・ポートマン(28)は若かりし頃から見守ってきた俳優なだけに、
彼らがこういう役柄も演じられるようになったのだと感慨深くなってしまったり。
三者三様の演技のアプローチできっちりと魅せてくれました。
僕の中でトビー・マグワイアはどこかいつまでも“少年”のイメージがある。
好きな出演作が『カラー・オブ・ハート』&『ワンダー・ボーイズ』だからかもしれない。
今回の兄サム・ケイヒル役は二児の父親という設定。容姿も10㎏の減量を行っていた。
アフガニスタンから生還してから以降の後半の演技は狂気めいていた。
もともとトビーの瞳は冷たく感じるところがあるので、その形相は怖かったです。
いちばんのお目当てだったジェイク・ギレンホール(弟トミー・ケイヒル役)。
先に観た『プリンス・オブ・ペルシャ/時間の砂』の“動”とは違い、
今回はいつもの内なる“静”の演技を魅せてくれました。
やはりこの作品でも瞳で物語ることができる俳優なのだと実感。
兄の娘二人を可愛がるシーンは実生活のジェイクを彷彿させるような優しさを感じ、
トビーとも一瞬、本当に似ているなぁ…と感じる場面がありました。
冒頭に上半身裸を観られたこともミーハー的な意味合いで嬉しかったです。
普段から鍛えていることが確認できます。
なんだかんだ言って、僕はジェイクを目で追いかけてしまう習性あり。
ナタリー・ポートマン(グレース・ケイヒル役)は凛とした演技から才女の片鱗が窺えた。
サム&グレースの長女イザベル役のベイリー・マディソンの演技が抜群に上手くて驚かされた。
はっきり言って、主演俳優3人を食う勢いがあったほど。
キャリー・マリガンが小さな役(キャシー・ウィリス)で出演。
言われないと気づかないくらいの地味さでした。
とても『17歳の肖像』と同じ人物とは思えないくらい。
この姿を観た時に彼女は今後、(いい意味で)女優として“化ける”と感じました。
この作品のハイライトは緊迫感が漲る、
次女マギー(テイラー・ギア)の誕生日を家族全員で祝う食卓のシーンと
クライマックスにおけるサムの感情が爆発するシーンだと思う。
アフガニスタンでの恐ろしい体験からPTSDに侵された一兵士の計り知れない心情。
その時、家族はどう見守ればいいのか。
ラストのサムのモノローグの言葉通り、その先の彼の行く末を案じてしまった…。
『戦争の行き着く先を死者だけが見るという。
僕はそれを見た。僕は再び生きられるのか?』

その答えはサムがグレースに書き遺した一文にあると言えるんじゃないだろうか。
『愛しのグレース
これを読むときは、僕が死んでるときだ。人生に確かなものはない。
1つあるとすれば、僕が君と娘たちを愛してることだ。それだけは間違いない。』

唯一、不満をあげるとするならば、
登場人物たちの心情を台詞で説明してしまう場面が多かったように感じたので、
その辺りはもう少し掘り下げて描いてほしかったかな。
兄弟愛、夫婦愛、親子愛という“家族の愛”の深さが今一歩伝わってこなかったから。
それでもオリジナル版と比較しても決して見劣りはしない出来だと言える。
●満足度●
★★★★☆

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2 Comments

湛 says..."最近のコニー・ニールセンを見て愕然としました(><)"
Elijahさん こんにちは。
私も先週『Brother』観ました。
これは『ある愛の風景』も観なければ!と思いましたが、
残念ながらまだ機会がありません(泣)。
こういう静かな台詞で進行する物語の方が、
喚いたり叫んだりする話より恐くて息を詰めて見入りました。
この緊張がいつ切れるんだろうかと心臓バクバク。
これまたシチュエーションは全然違いますが、
『ダウン・イン・ザ・バレー』のエドワード・ノートンみたいに、
穏やかな声で静かに話してるけどこの人ヘン!!!
という恐さを思い出しました。
いつもの「ジェイク~♪」はすっかり影を潜め(でも目は
自然に追っ掛けましたけど体毛如きでジェイクへの愛において
Elijahさんに負けておりますので・・・しくしく)、
トビー・マグワイアって本当に上手い!と鳥肌でした。
考え方の根底に、当然ですがキリスト教的思想、
どんなことでも告白しなきゃいけないという強迫観念を感じました。
神様はまるっと全部お見通しだ!と、洗脳されてるんでしょうね。
どうにも制御できない心の問題までも「心の中の姦淫」
と、断じるのですから。
今この場でこれ言っちゃマズイ!(キスの事)と、
思うのは私が不信心な日本人だからなんでしょうね。
なので、ラストでグレースがサムに言わせるのも
「おいおい!」と眉をひそめずにはいられませんでした。
告解しさえすれば救われるのだろうか?といった点が、
どうしても引っかかってしまうのでありますが、
でも主役3人の素晴らしい演技には、素直に感動しました。
ジェイクの優しい眼差しがたまりませんっっ♪(≧∇≦)♪
(やっぱ落ち着く所はここです。)
2010.06.14 17:00 | URL | #nxzuATHA [edit]
Elijah(管理人) says..."湛さん。"
湛さん

こんばんは。
僕は『ある愛の風景』を観ていたおかげで、『マイ・ブラザー』は落ち着いて観ることができました。
思い返せば『ある愛の風景』を観た時は妙な緊張感と不安感がありましたね、
その先に何が起こるか予測できなかったので。
ジェイク・ギレンホールのアウトサイダー的な役柄も魅力的でしたよね。
彼の瞳や体毛以外にも(笑)、今回はタトゥーに目が行きました。
トビー・マグワイアは普段の演技が大人しいだけに、
あの発狂シーンはギャップがありましたよね。
カッと見開いた目がイッちゃってて怖かったです。
僕は湛さんが言われる“キリスト教的思想”を余り感じなかったんですよね。
それはオリジナル版を観た時にもそうでした。
確かにサムがグレースに発した想いは“告解”かもしれませんが、
僕は彼が愛する妻に告げたことでようやく苦しみから“解放”されたのだと感じました。
本当の意味での家族への“帰還”ができたというか。
そうじゃないと、“あそこ”までして家族の元へ戻った意味が成立しないと思うんです。
2010.06.15 19:41 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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