コウモリ。

渇き渇き②
『渇き』(2009)
●観た理由●
パク・チャヌク監督の新作だから。
僕の中でパク・チャヌク監督とポン・ジュノ監督作は“韓国映画界”で外せない存在。
●スタッフ●
パク・チャヌク監督(兼脚本)の想像力は、やはり独特で凄いものがある。
今回はコミカルさとシリアスな部分が混在している不可思議な世界観だった。
撮影監督はパク・チャヌク監督ご用達のチョン・ジョンフン。
今回の映像の色合いは少しボヤけた感じで余り僕好みではなかったな。
“コウモリ”から見える色合いで表現していたのだろうけど。
●キャスト●
使命感溢れる敬虔なカトリック神父サンヒョンを演じるのはソン・ガンホ。
役作りのために10㎏の減量を行ったせいもあってなのか、彼に初めて色気を感じた。
哀愁と切なさがミックスされた今回の役柄も確かな演技力で見事に表現していたと言える。
サンヒョンと禁断の関係を持つことになるテジュを演じるのはキム・オクビン。
ソン・ガンホに負けないくらいの存在感で観客を魅了する。
最初の登場シーンでは顔の表情に鋭気がなく不健康な姿で映っていたにも関わらず、
中盤からはある種の健康的な姿になっていく様は見応え十分。
まるで『インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア』のクローディア
(演じていたのはキルスティン・ダンスト)が、
そのまま大人に成長したような無邪気なものがあった。
まぁ正直なところ、その行動や言動にはイラッとするけどね。苦笑
サンヒョンの幼なじみかつ、テジュの夫ガンウを演じるのはシン・ハギュン。
出演シーンは少ないながらかなりインパクト大の役柄で、ただただ不気味で怖かった。
なんせ髪型は七三分けのマザコンですから。苦笑
そのガンウを溺愛する母親ラ夫人を演じるのはキム・ヘスク。
彼女の演技もある意味、怪演でした。特に後半の目力は凄い。
●印象に残ったシーン●
この作品のハイライトと言える、
サンヒョンの“毒牙=愛”によってテジュが“生まれ変わる”シーン。
渇き
その妖しくて美しい構図にエロティックさを感じずにはいられなかったです。
もうね、ここがラストシーンになっても全くおかしくないほどだった。
●この映画を観て思ったこと●
ひと昔前の僕だったら鑑賞後、
絶対に手放しで絶賛するであろう“美しく残酷な”作風でした。
でも、今の僕はもうそういうものを求めていないので。
ラ夫人親子とその妻テジュが同居する部屋に人々が集まり麻雀をする場面。
部屋の間取りや映像の背景に流れる懐メロといい、
どこか『花様年華(かようねんか)』を思い出すものがあったな。
やや広がり過ぎた物語をどう収束させるのか見ものだったのだけど…
サンヒョンの段取りは最期まで抜かりはなく、
『あぁ、やっぱりそう来たか!』というオチのつけ方でした。
そのラストシーンに一抹の物悲しさと切なさを感じたな。
振り返ればサンヒョンは復活した“イエス・キリスト”の象徴であり、
欲望という名のもとにサタンへ魂を売ってしまった“アダム”でもあり…
サンヒョン×テジュンの関係性は禁断の果実に手を出してしまった、
“アダムとイヴ”だったのかもしれないね。
●満足度●
★★★☆

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2 Comments

Jasmine says..."No title"
パク・チャヌク監督の昔の作品が好きなので
どうかなと期待せずに行ったら、なかなか良かった。
最初は暗くて、ダメかもと思ったらテジュが
イキイキし出すと共に面白くなって来て
結末にも納得でき、さすがだなと思わされたよ。
TBさせて頂きました。



2010.04.12 16:27 | URL | #zF.Cle0A [edit]
Elijah(管理人) says..."Jasmineさん。"
Jasmineちゃん

僕もパク・チャヌク監督は、
昔の作品の方が好きだな@『復讐者に憐れみを』&『オールド・ボーイ』。
“映画”って期待せずに観たら、案外いい作品だったってことあるよね。
テジュが活き活きしだした展開は確かに面白かったけど、
僕は同時にそのキャラクターにイライラしてしまったよ。笑
結末は切ないものがあったけど、もうああするしかなかったよね。
TBありがとう♪
2010.04.12 18:26 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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渇き
パク・チャヌク 監督、ソン・ガンホ 主演のカンヌ国際映画祭審査員賞「渇き」を鑑賞。 カトリック神父 サンヒョク(ソン・ガンホ)は、病院で患者たちを看取っていたが 致死率100%の謎のウィルスの治験に志願する。 サンヒョクは治験の効果がなく死んでしまうが蘇生し、
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