ヒース・レジャーの鏡。

Dr.パルナサスの鏡Dr.パルナサスの鏡③
『Dr.パルナサスの鏡』(2009)
●観た理由●
いちばんはやはり故ヒース・レジャーの遺作だから。
テリー・ギリアム監督が描く独特な世界観に惹かれて。
キャストが好きな男優ばかりだから。
●豆知識●
日本ではヒース・レジャーの命日(2008.1.22)へ合わせるかのように公開。
物語の実際の主役はクリストファー・プラマー演じるパルナサス博士。
ヒース演じるトニーはあくまでも助演的な役回り。
ジョニー・デップに関しては撮影がたった1日半だったので、出番はかなり短い。
エンドロール最後の最後でトニーの携帯電話の着信音が場内に響き渡る演出がある。
ギリアム監督曰く、それは『たくさんの人たちがヒースに電話を掛けようと試みてる音』を
表現しているらしいので聴き逃しなく!
僕は鑑賞後、公式HPでその着信音をダウンロードしました♪
●スタッフ●
テリー・ギリアム監督作は僕の中で当たりハズレが激しい。
『バロン』(1989)…△
『フィッシャー・キング』(1991)…×
『12モンキーズ』(1995)…○
『ラスベガスをやっつけろ』(1998)…×∞
『ブラザーズ・グリム』(2005)…△
『ローズ・イン・タイドランド』(2005)…◎
今回はどちらかと言えば、苦手な方のギリアム監督作だった。
お得意の摩訶不思議ワールド炸裂!といった雰囲気は良かったんだけど。
世界観は思いきり『バロン』。共同脚本家(チャールズ・マッケオン)も同じ。
根底にある物語はヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテの『ファウスト』だと思える。
ただ『バロン』のように寓話的なファンタジーに徹していなくて、
中途半端に現代(2007年のロンドン)とミックスさせているところが
どっちつかずに感じてしまい、僕はその世界観に入り込むことができなかったかな。
観終わった後の読後感は正しく『ブラザーズ・グリム』。
勿体ないという思いと物足りなさを感じた。
ストーリーの展開や登場人物の設定に問題はなかったと思えるので、
もっと上手に魅せることができたはず。
物語の締め括り方も良かっただけに残念。
映像はCGを使ってはいるものの、どこか手作り感あるチープさ。
良くも悪くもその辺りで賛否分かれるかもしれないね。
僕はキッチュ&シュール感ある美術にホレボレしたけど。
●キャスト●
ヴァレンティナ役のリリー・コールは、
デヴォン青木とミランダ・リチャードソンに似ていると思った。
正直、僕は世界が絶賛するほどの美しさを彼女から感じ取ることができなかった。
『BOY A』で好演していた、
アンドリュー・ガーフィールド(アントン役)が出演しているのがちょっと嬉しい。
結果的にヒースの代役というカタチとなった、
鏡の向こうのトニー役をそれぞれ演じるジョニー・デップ、ジュード・ロウ、
コリン・ファースに関する出演シーンは全く違和感なく作品に溶け込んでいた。
この発案は最高にブラボー!
ジュードの演技は意気揚々としたハイテンションぶり。
特にコリンの演技が印象的で、その口調は正にヒースその者でした。
出演シーンもいちばん長かったし、いちばん意味のある役柄だったと思う。
●印象に残ったシーン●
ヒース・レジャーの出演シーンすべて。
ひとつひとつを大事に観させて貰いました。
やっぱり表情がUPになるたびにドキドキしたし、同時に切なさも感じたな。
劇中、最後に映るヒースの姿は鏡の中です。
ジョニー・デップ演じる鏡の向こうのトニー#1がお金持ち婦人を川まで同伴する際に、
その女性へ声を掛けた言葉がヒースに対して捧げているように思えた。
『若くして逝った者は、永遠に年老いることがない』
●この映画を観て思ったこと●
最初から最後まで【In Memory of Heath Ledger】の心遣い感じるニクい演出だった。
…ありがとう、テリー・ギリアム監督!
明らかにシネコンで上映するようなエンターテインメント作品ではなかった。
思いきりミニシアター向けのアート映画だと思う。
上映終了後、僕の周りの観客の雰囲気は、
『期待していた作風とは違う』という戸惑いモードが漂っていました。
もし、この作品をティム・バートン監督が演出していたら
どんな味付けになっていたんだろう…と思わず想像したり。
でも僕はヒース・レジャーの最期を見葬ることができただけで満足なのです。
●故ヒース・レジャー出演作BEST3●
ブロークバック・マウンテンブラザーズ・グリムキャンディ
『ブロークバック・マウンテン』(2005)
ヒースと言えば、まずこの作品だと言い切れる。
『ブラザーズ・グリム』(2005)
作品の完成度はサイドに置いておいて、ルックス的にいちばん好き。
『キャンディ』(2006)
これこそ遺作だと錯覚してしまうような熱演ぶりと物語の衝撃度。
Dr.パルナサスの鏡
●満足度●
映画本編:★★★☆
ヒース・レジャー:★★★★★

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2 Comments

湛 says..."『バンデットQ』が好き。"
ついさっき『Dr.パルナサス~』パンフレットを買って戻り、
PCを開いてこちらへお邪魔したら感想がUPされていて・・・♪
映画は既に2週間前に観ました。
私も好きな作風ながら、観終わった後「良かった~♪」と大感激した友人ほど
感激できなかったのが正直な気持ちです。
悪くないと思うんですが「そんなにいいか?」と。
基本的にギリアム作品は好きです。
列挙された中の『バロン』と『ローズ・イン・タイドランド』以外は観ています。
(『ロスト・イン・ラ・マンチャ』もビデオで)
しかしファースト・コンタクトだった『バンデットQ』が私には一番印象深く、
映画館で一度観たきりなのに(詳細は薄れていますが)、
『パルナサス』の数々の場面が『バンデット』と同じだ~と感じ、
新鮮に受け止められませんでした。もう少し編集もした方がよかった。
だけど再度チャレンジしたい気分は強いです。多分もう一度観るだろうと思います。
ヒース・レジャーは最後の姿かと思うと、やはり胸に迫るものがありましたね。
他の二人の代役はさておき、コリン・ファレル良かったです。
彼も『フォーン・ブース』までは良かったんですが、その後が私にはダメでした。
けれど『プライド&グローリー』とこの度で見直しました(^▽^)

『ヴィクトリア』は来月2週間限定上映まで待機!
『カティンの森』は毎度のことで上映あるんだかどうだか?(泣)
と、いった残念な理由で二作品の感想はまだ読めません。本当に残念!(>_<)
2010.02.05 14:03 | URL | #nxzuATHA [edit]
Elijah(管理人) says..."湛さん。"
湛さん

湛さんもパンフレットを買って来られたんですね。
かなり充実した内容で読み応えがあり、僕的には満足できる出来でした。
そして、映画のほうも既に観られていたんですね!
でも今ひとつだったんですね。
実はテリー・ギリアム監督作好きの友人もこの作品を観て撃沈していました。
湛さんと同じく『バンデットQ』について言及していましたね。
支離滅裂っぽいところが似ているのと、
(作家性が)変わらない姿勢が今回は悪い意味で薄っぺらく感じたと言っていました。
どうやら今回の作品はギリアム監督の集大成的要素があるみたいですね。
湛さんが再び観ることで又、新たな発見があって印象が変わるかもしれませんよ♪
ちなみに僕は初期の代表作である『未来世紀ブラジル』と
その『バンデットQ』は見たことがないんですよね。
『ロスト・イン・ラ・マンチャ』は別監督によるドキュメンタリー物だったのでパスしてしまいました。
ヒース・レジャーの演技は本当に胸にくるものがありましたね。
もう新しい演技を観ることは出来ないですけど、
これまでたくさんの出演作を遺してくれたので機会があるたびに何度も見ていこうと思います。
湛さん、コリン・ファースを最初から苦手だと勝手に思っていたんですが…
『フォーン・ブース』までは大丈夫だったんですね~。
今回の作品と『プライド&グローリー』でOKを貰えて嬉しく思います。笑

『ヴィクトリア女王』は威厳ある歴史劇というよりかは、
やや現代風なラブストーリーとして観られた方が楽しめると思いますよ~♪
『カティンの森』は意義のある素晴らしい作品でしたので、
湛さんがお住まいの地域でもぜひ上映してほしいです!
2010.02.05 21:40 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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