Jの悲劇(イギリス)

【愛は続く。一方的に、執拗に。永遠に……
現代文学の巨匠マキューアンのエレガントかつスリリングな絶品。】


英国作家イアン・マキューアン著『愛の続き』の映画化。

赤い気球の落下事故をきっかけに、神の思し召しによる運命的な出会いだと信じた、
ド・クレランボー症候群(=恋愛妄想病)の男Jed に付きまとわれるようになった男Joeの物語。

知的で洗練された会話。持論に基づいた哲学や宗教の見解。
いかにも英国的な趣で、静かに進行していく展開はアルフレッド・ヒッチコック風。
その影響もあるのか、どこかクラシカルな薫りを漂わせている。
光やハンディカメラを多用したハリス・ザンバーラウコス撮影監督による映像は美しかった。
特に画面に象徴される赤色が印象的。

Joeを演じるのは、『007』シリーズでNewジェームズ・ボンド役に決まったダニエル・クレイグ。
『愛の悪魔/フランシス・ベイコンの歪んだ肖像』からマイ・フェイバリットな男優だ。
今作では歯を磨くシーンがなにげない中、印象に残る。
Joeの長年のパートナーであるクレアを演じるのは、
『ギター弾きの恋』、『マイノリティ・リポート』での好演が印象に残る個性派サマンサ・モートン。
Jedを演じるのは、この作品の監督であるロジャー・ミッチェルの
『ノッティングヒルの恋人』でも好演していたリス・エヴァンス。
ルックスがあのoasisのリアム・ギャラガーにずっと似てると思ってるんだけど。

日常生活の中で身近に起こり得そうなストーカー物だった。
ただ、ストーカー物と言うよりは、愛についての心理サスペンスに近い。
実は僕も過去に、ある不注意が原因でストーカーされた事がある。
携帯電話に5秒に一回残る着信。留守電やメールに残される『殺す。』の言葉。
幸いにして、携帯番号を変えるだけで事なきを得たが。
その時は、すれ違う人みんながそのストーカーに思えた。
トラウマまでにはなってないけど、ストーカーされる恐怖感は理解できる。
だけど実は僕自身がストーカーをする側の心境も理解できたりする。
怖いほど愛した人に対して、コレクターとして【所有】したくなる傾向が…(苦笑)。

結論として言えば、この作品の男2人は共に詰めが甘かった。
なので、結末に少し物足りなさを感じる。そこが現実的なんだろうけど。
それにしてもダニエルとリスのキスシーンは、ある意味で凄い光景だった。
そして、思い込みというのは怖いものだと自覚した。

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ナビオTOHOプレックス/奥野

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