監視者をWATCHする。

ウォッチメン④ウォッチメンウォッチメン⑤
※ネタバレに敏感な人は注意!※
『ウォッチメン』(2009)
観終わった後の感想はとにかく『長い』のひと言だった。
決して悪くはない出来なんだけど、かと言って良いという訳でもなく…
なんか惜しいと思える作品でした。
とても贅沢なくらい丁寧に描いていたけど、無駄に思えるシーンがあったのも事実で。
オープニングのクレジットだけで、どれだけ時間を費やしていたことか。
まぁ、そこでウォッチメンたちの歴史を学べたからいいけど。
ただ、ジョン・F・ケネディ暗殺事件の真相がそのクレジット中であっさりと描かれていて、
そういうアメリカ史をメインに展開していくものだと
勝手に思っていた僕にはショッキングでした。
俗に云うヒーロー物ではあるけどかなり屈折したキャラクターたちで、
二面性に隠された苦悩や葛藤がとことん描かれている。
描写は暴力的でジメッとしたDARKな世界観で、
勧善懲悪な展開ではなくどこまでも内省的な趣き。
『スパイダーマン』と『スーパーマン』のような明るさはなく、
『シン・シティ』寄りな雰囲気を醸し出していた。
そのDARKな合間にジョークが描かれたりするけど、どうも笑えない。
宗教や哲学的に思える部分もあったな。
ドラマ性の高かった『ダークナイト』に通ずるものがあると感じたのも事実なので、
もし先に『ウォッチメン』を観ていたら、
これまでのヒーロー物と一線を画した斬新さを高評価していたかもしれない。
それでも『ダークナイト』に感じたようなカタルシスはなかったけど。
とにかく、(いい意味で)いろんな要素が入り混じった作風に思えた。
いちばん感じたのは『L.A.コンフィデンシャル』のようなフィルム・ノワールの世界観に、
たまたまヒーローが存在し関わっているみたいだ、と。
そのミステリーにワクワクしたもののアクション・シーンが少ないことにも驚いたり。
クライマックスの雰囲気はとてもウィリアム・シェイクスピア的だった。
映像に関しては満足で、もの凄く美しかった。
さすが『300 <スリーハンドレッド>』のザック・スナイダー監督!と言いたい。
ジェフリー・ディーン・モーガン演じるコメディアンが住む部屋の
ルームナンバーが【300】な遊び心にニヤリ。
ただ、演出に関しては凝りすぎでちょっとオーバーだったと思う。
観客のことを忘れて、己の趣味に走っているような。
注目すべきキャラと描くエピソードが多すぎて、上手くまとめきれていなかった気もする。
キャラに関しては。
みんなそれぞれに自己中心的だなと感じた。
特にビリー・クラダップ演じるDR.マンハッタンが、
いちばん自分勝手に思えて仕方がなかった。
自分と関わった人間の最期に対してあっさりし過ぎじゃないか?
とても好きにはなれないキャラだった。
それ以上に、一般映画史上初であろう男性器ブラブラ攻撃には参りました。笑
逆にパトリック・ウィルソン演じるナイトオウルはいちばん共感しやすかったし、好感が持てた。
ウォッチメン②ウォッチメン③
お目当てだったパトリックのこういう優しげでちょっと頼りない役柄もGOOD。
もちろん、今回も惜しみなく脱いでいました。ホント、どの作品でも脱いでいる。笑
個人的にはロールシャッハ役のジャッキー・アール・ヘイリーとの
タッグが妙な感覚だったな@『リトル・チルドレン』。
そのヘイリーの声は低音で渋く、キャラにピッタリで。
オジマンディアス役のマシュー・グードは、
ルキノ・ヴィスコンティ監督の耽美な世界観が似合いそうなCOOLでレトロな風貌。
冒頭に少しだけ出演して、後はなかなか出てこないのでおかしいと思っていたら…。
ラストの展開は僕好みじゃなかった。
理想論だと言われたとしても、僕もロールシャッハとナイトオウル側の人間でいたい。
真っ当な考えで真実を追究しようとする【真の正義】の末路が哀しく映った。
せめてもの救いは、最後に遺されたあの日記の存在…。
ちなみに僕はこの作品を決してキライではないです。
満足度:★★★☆

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4 Comments

rogue says...""
王子!こんばんは~♪
ごぶさたしてしまいすみませんでした。

王子は「長い」と感じたのですね。でも確かに無駄なシーンはいくつかあったような。私がいちばん無駄だと思ったシーンは、刑務所で腕を切るところです。あれはいらないですよね。悪趣味です。あ、ザック・スナイダーの悪趣味さはいまに始まったことじゃなかった(笑)それにナイトオウルとシルク・スペクターのS○○シーンもいらない!

あっ、そうそうルームナンバー「300」でしたよね。ちょっとニヤッとしてしまいました。

ナイトオウルはキャラ的にいちばん人間らしくてよかったと思います。普通に悩み、普通に怒る、共感できました。パトリックは『オペラ座の怪人』以来ですが、やっぱりカッコいい!正統派アメリカン・ハンサムって感じです。アメリカ人ですよね???え?どの作品でも脱いでるんですか!?いいこと聞いた!
2009.04.05 20:41 | URL | #- [edit]
Elijah(管理人) says..."rogueさん。"
rogueさん

こんばんは!久しぶりのコメントどうもありがとう!
素直に嬉しいです♪

うん。ひとつひとつのシーンをゆっくりと丁寧に描きたい気持ちは解るんだけど、
僕は正直、無駄に長いと感じちゃったんだよね。
そうそう。刑務所で受刑者の腕を切断するシーンは要らなかったよね。
なんで、あえてその場所を切断するのか意味が解らなかったし、説得力がなかったもん。
ザック・スナイダー監督は殺しの美学をどこか勘違いしているようにも思えたな。
ナイトオウルとシルク・スペクターのラブシーンも必要以上に多かったよね。
まぁ僕的にはパトリックの裸を見れたから良かったけど。笑
それ以上にシルクの心変わりが早すぎて、ちょっと呆れてしまいました。
彼女は色情魔なのか!って。笑

おっ!rogueさんもルームナンバー【300】に気づいたんだね!
やっぱりこういう遊び心を発見しちゃうと、思わずニヤリとしちゃうよね。

振り返れば、ナイトオウルがいちばん普通の人間だったよね。
彼はこの映画の良心でもあり、
観客の分身的な存在でもあるだろうから共感しやすいんだろうね。
パトリックはそう、アメリカ人だよ。
もちろんハンサムだけど、どちからかと言えばクラシックな顔立ちをしているよね。
もともとはブロードウェイ出身の人だから、どんな役でもサラッとこなせるところが魅力的。
舞台版の『フル・モンティ』から脱いでいたというくらい、彼はホントどの作品でも脱いでいて、
いちばんの脱ぎっぷりの良さはケイト・ウィンスレット共演の『リトル・チルドレン』かも。
ちなみにこの作品にはロールシャッハも出ているから(笑)、機会があれば見てみてね。 
2009.04.06 20:03 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
ken says...""
相変わらずザック・スナイダーは凄腕でしたねー。
ビジュアルをいかに三次元化するかは、
ほんと天才的なセンスの持ち主。
特にウォッチメンのアブノーマルなコスチュームは、
見てるだけで盛り上がっちゃいました。
R-15だけあって残酷描写もたっぷり。
視点がいろいろと動いてましたけど、
個人的にはロールシャッハが印象的でした。
彼の存在意義を思うと切ないです。
って、さいきんのパトリック・ウィルソンは、
かならず脱ぎが入ってサービス満点(笑)
いや、彼は心理表現も上手いんですけどね。
いつまで脱いでくれるのかなぁ。
2009.04.08 20:03 | URL | #VaGrzmSs [edit]
Elijah(管理人) says..."kenさん。"
kenさん

確かにザック・スナイダー監督のビジュアル・センスは凄いものがありましたよね。
固定ファンが多いのも解る気がします。
ウォッチメンたちのコスチュームは、
僕的にB級テイストの匂いを感じたりしてちょっと毒々しかったです。笑
残酷描写に関しては、これはもう好みに分かれるでしょうね。
kenさんはロールシャッハがいちばん印象に残ったんですね。
僕は彼に対して、単独行動をせずにもう少しだけ仲間を信じ、
融通性があればきっと…と思ってしまいました。
今回のパトリック・ウィルソンに関しては、もう何も言うことはないくらい満足しています。笑
2009.04.09 13:01 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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