スペイン語の映画~PART TWO。

チェ 39歳 別れの手紙
『チェ 39歳 別れの手紙』(2008)
スクリーンのサイズがシネマスコープからビスタへ。
チェ・ゲバラに、よりフォーカスするというスティーヴン・ソダーバーグ監督の意図だろうか。
オープニング。PART ONE『28歳の革命』より確実に年数が経過していて、
いきなりフィデル・カストロが国民にゲバラからの別れの手紙を読む場面よりスタート。
PART ONEに比べると、僕は今回の方が観やすかった。
それは事前にゲバラとその背景や時代について予習して観たせいかもしれない。
PART TWOも淡々とした世界観で表現されていく。
やはりチェ・ゲバラの内面的な心情は一切表には出てこず、
終始客観的な視線で描かれていた。
まるで観客がゲバラに寄り添っているかのような雰囲気を醸し出している。
静かに始まりクライマックスへ向けて徐々に加速していくスピード感が、
ガス・ヴァン・サント監督と同じ演出法だと気づいた。
エルネスト・チェ・ゲバラ役のベニチオ・デル・トロの演技は、
今回の方がより一層良かった。
意外に長髪とヒゲ姿がしっくりきていて格好いい。
もうゲバラその人にしか見えないほど内面から溢れ出るものがあった…Magnifico!
米国の賞レースに彼が一切ノミネートされていないのは、
もはや政治的な動きとしか思えない。
印象に残ったゲバラの台詞は、『私は人間を信じている』という言葉。
そのひと言がゲバラの信念やこれまでのすべてを物語っているように思えた。
クライマックス。ゲバラが射殺されるシーンを敢えて観せない演出が印象的。
観客に彼の息遣いと視線のぶれだけで感じさせるのは巧い。
考えさせ、余韻に浸らせるかのような音楽が一切流れないエンドロールも印象的だった。
…果たしてこの二部作は伝記物だと言えるのだろうか?
もし伝記物であるとするならば…ゲバラもひとりの人間。
決して聖人君子ではなかっただろうし、悪い部分も描くべきだったのでは?と思う。
余りにも善人の部分を描き過ぎだったように見えたのは僕だけだろうか?
基にしているのが、ゲバラ自身が書いた著書なのは解っているけど、
もう少しだけ人間味を感じさせてほしかった。
ここが唯一、不満に思えたところかもしれない。
…エルネスト・チェ・ゲバラというひとりの男の人生を垣間見ることができて良かった。
あ。密かに出演していることを知っていた、
ソダーバーグ組のマット・デイモンを無事に見つけられて…ホッ。笑
満足度:★★★☆

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2 Comments

ken says..."SS"
最初のシーンの変装姿はちょっとびっくりしちゃいました(笑)
ベニチオ・デル・トロは前回以上にゲバラで、
まるでドキュメンタリー。
ソダーバーグはしょうじきあんまり得意じゃなかったんですけど、
やっと好きな作品にめぐり合えた気がします。

マット・デイモンは出演を知らなかったので、
一瞬そっくりさんかと・・・(笑)
彼はどんな役でもひっそり似合いますね。
2009.02.06 19:21 | URL | #VaGrzmSs [edit]
Elijah(管理人) says..."kenさん。"
kenさん

PART TWOのベニチオ・デル・トロは完全に役と同一化してましたね。
確かに変装姿には『え?誰??』って感じで驚きました。
我が子の前でも別人にならないといけないと言うのは切なかったです。
kenさん、ソダーバーグ監督作品が余り好きではなかったんですね。
それ、かなり意外です!てっきり好きかと…。
僕はやっぱり『エリン・ブロコビッチ』がいちばん好きですね。
彼の新作候補としてキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演で、
『クレオパトラ』を題材にしたミュージカル映画の噂があるみたいですけど、
ソダーバーグ×ミュージカルが結びつかなくて全く想像できないなぁ。

マット・デイモンは顔がUPになる訳じゃないので(その辺りの演出もGOOD)、
気づかない人もいるでしょうね。
決してジミー大西が出ている訳ではないですので。笑
マットの流暢なスペイン語に改めてインテリぶりを感じました。
2009.02.07 11:16 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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