’08年を締め括る映画。

BOY Aラースと、その彼女
※ネタバレに敏感な人は注意!※
a.『BOY A』(2007)
10代の頃にある事件を起こし有罪となり、
その刑期を終え名前を変えて社会復帰したひとりの20代の青年を描く物語。
この作品はどういう視点で観るのかで感想が大きく変わると思った。
もし自分が被害者の家族や友達だったら?
僕はこれまでこういう事件を起こした未成年の加害者に対しては、
思いきり嫌悪する目で見てしまう自分がいた。
でも今回の主人公である【BOY A】=ジャックの姿を見ていたら、
赦せてしまう自分が確かにそこにいた。
けれど、もし自分の友達の過去がジャックと同じだったら?
果たして偏見や差別意識を持たず、普通に接することが出来るのだろうか?
物語を追いかけながら、頭の中でいろんな思いが過ぎっていた。
全体的な雰囲気はそれこそケン・ローチ監督の世界観に似ていた。
余分なものが一切ないジョン・クローリー監督の演出。
だからこそ心に染み渡るものがあるんだろう、と。
ジャックを演じた英国の新星アンドリュー・ガーフィールドの
確かな演技力は本当に素晴らしかった。
ジャックを支えるソーシャルワーカーであるテリー(ピーター・ミュラン)の存在。
今回気づいたことは、担当するソーシャルワーカーは自分の私生活の身辺がある程度、
整っている人の方が適任だということ。
自分の息子と向き合えていない人が、
果たして真の意味でジャックを支えることができたのだろうか?
今回この作品を観たことで、初めて加害者側の立場になって物事を観れた気がする。
当たり前のように普通に生活できることが、どれほど幸せなことなんだろう。
心から反省し、更生しようとするジャックの姿は限りなく切ないものがあった。
【過去よりも未来】…この言葉に尽きると思った。
ラストシーンでのジャック。どうか踏み止まって生きていてほしい。
満足度:★★★☆
b.『ラースと、その彼女』(2007)
正にキャッチコピー通りの【リアルファンタジー】映画。
この作品は観た時の自分の心境がそのまま感想に反映されるなと思った。
自分の心に余裕があれば優しく受け止められるだろうけど、
余裕がなければ、『こんな展開ありえない!こんな優しい人たちなんか居ない!』と
冷めた目で観てしまうと言えるから。
とにかく!主人公ラース・リンドストロムを演じた、
ライアン・ゴズリングの演技が素晴らしい!
心になんとも言い難い不安を抱えたラースの心情を見事に表現していました。
渋い歌声まで披露してくれて、とても魅力的だったなぁ。
ファンになりそうな勢いです。
特に職場の同僚であるマーゴ(ケリ・ガーナー)が可愛がっている、
テディベアを人工呼吸するシーンには思わず胸がキュンとなりました。
こういう優しさがある男性って好きだなぁ。
ラースの仕草もいちいち可愛くて、女性に対する想いも一途だし…
ピンクの柄入りセーターも最高に似合っていてGOODでした。
柄入りのセーターも着こなし方によってはお洒落だなと参考になりました。
ラースの兄夫婦の存在も良かった。
特に義理の姉カリン(エミリー・モーティマー)の
彼に対する無償の愛に近い接し方には感嘆させられました。
彼女自身も身重の身でありながら、ここまでラースに優しくできるなんて…
見習わないといけないなと痛感しました。
僕的には以前から注目している、
ポール・シュナイダー(兄のガス役)を観れたことも嬉しかったです。
彼が冒頭でラースの彼女であるビアンカを見て驚く姿には笑わせてもらいました。
ダグマー・バーマン医師(パトリシア・クラークソン)の存在も素敵だった。
本来、心の病:問題を抱える患者さんに対して、
医師は彼女のように接するべきじゃないかなと思えました。
ああいう風に町全体でラースの心を癒していくスタイルも
実際に実行するにはとても難しいことだろうけど、とても素晴らしいことだなと感じました。
相手と同じ目線になることも大事だなぁ…と。
それにしても、ラースが愛するビアンカはアンジェリーナ・ジョリーに似ていたなぁ。笑
原題と邦題の【The Real Girl / その彼女】とは結局のところ、
そのビアンカのことを表していたんじゃなかったんだね。
振り返ればこの作品はラースがトラウマを克服して、
現実と向き合うまでの心の成長期を描くものだったな。
僕の2008年映画鑑賞の最後を締め括るに相応しい、
心を穏やかに温かくさせてくれるスウィートな作品でもありました。
最後に、印象に残った台詞を。
『人が一番好きな単語は自分の名前なんだって。
だから、名前を沢山呼んであげてごらん。
そうすれば、みんな幸せな気持ちになるはずだよ。』

満足度:★★★★

…以上、僕の2008年映画鑑賞記録はこれにて完結です。
※次回!【2008年年間ベストテン】発表。乞う御期待!

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