沈睡的青春。

ソウ5午後3時の初恋ファン・ジニ 映画版②
a.『ソウ5』(2008)
前作【4】の完成度が思いのほか良かったので、密かに期待していたシリーズ第5弾。
出来は決して悪くはなかったけれど、
いちばん印象の薄い【2】と同じで斬新さや衝撃度を余り感じなかった。
このシリーズの名物である、一気に謎が解けるクライマックスの
フラッシュバック・シーンに大した驚きはなかったし、
これまでの真犯人が【最前列】で観ているという意味合い性も
少し変わってしまったような気がした。
前作でジグソウの後継者であったことが発覚したホフマン刑事に、
ジグソウほどのカリスマ性がないのも盛り上がらなかった理由のひとつかな。
ストーリーの展開は単純なようで益々複雑化、
今回も時間軸攻撃にヤラれてしまいました。
これまでのシリーズを統括していたり、
憶えていない過去の登場人物も居たりして…ちょっと頭の中がこんがらがりました。
良くも悪くも何でもアリになってきているので、
そろそろ都合よく過去をイジくるのは止めてほしいなぁ…と思ったり。
今回のいちばん痛かったシーン。
ある人物が生き残るために自分の手を挿入して、ビーカーに血を溜めるところ!
その陰惨な光景に思わず身震いしました。
あえて【5】にサブタイトルを付けるとしたら、『ホフマン・ビギニング』かな。
まるでこれまでの事件のメイキングを観ている感じだったし。
まだまだ多くの謎が残された、このシリーズ。
今回もいいところで終わるので、続きは正式に製作が決定した【6】へと続く。
あぁ!ジグソウが妻ジルに送った遺品の箱の中身が気になるーーーっ。
元ネタは『セブン』でのグウィネス・パルトローのシーンみたいだけど…。
ちなみにシリーズの好きな順番は…【1】→【4】→【3】→【5】→【2】かな。
満足度:★★★
b.『午後3時の初恋』(2007)
※ネタバレに敏感な人は注意!※
『台湾シネマ・コレクション2008』で上映された一本。
『花蓮の夏』を観てノックアウトを食らったジョセフ・チャン目当てで観に行った。
ジョセフ・チャン⑤
だらしのない父親に代わり、
時計店を切り盛りする若い女性チンチン(モデル出身のグォ・ビーティン)。
そこへ水に濡れた時計の修理の依頼に現れたひとりの青年ズハン。
この2人の出逢い:再会をきっかけに紡ぎだされていくストーリー。
原題の『沈睡的青春』から想像できるような爽やかな青春映画と思っていたら、
ちょっと風変わりな物語でした。
結果的には切ないんだけど、なぜか癒されるという不思議な感覚を持った作品。
ノスタルジーを感じさせる淡く瑞々しい映像がとても綺麗で印象的。
その映像(ちょっと韓国のポン・ジュノ監督ぽい)と
そこで描かれる世界観はとても僕好みで、もうずっと浸っていたいと思えたほど。
どこか大好きな香港映画『アンナ・マデリーナ』に雰囲気が似ていたような気がする。
…あのなんとも言えない切なさのせいかな。
物語が静かに描かれていく中、自然の風の音やチクタク発する時計の音が心地よく。
安らぎを感じさせるアンティーク風な時計店の雰囲気も良かった。
あの黄緑の鮮やかな壁掛け時計が欲しいと思ったなぁ。
シュールで可愛いらしい前半と少しずつズハンの謎が解けていくシリアスな後半。
根底に流れるものは同じだけれど雰囲気が微妙に違っていて、そこも興味深く。
ひとつの章のように文字で登場人物の気持ちを説明する描写も、
レトロな雰囲気を漂わせて良かった。
とにかく!ズハン役のジョセフがやっぱりカッコいい!
この作品でもあっさりと脱いでくれて(笑)、そのルックスに益々メロメロになりました。
実は今回、一人二役を演じているんだけど、どっちのジョセフも素敵だった。
純朴で大人しい無口なズハンをとびきりCUTEに。
ワイルドで男らしいボーユィをひたすらCOOLに。
映画自体は綺麗に描きすぎていると思えるところもあったけれど、なかなかの佳作でした。
…ラストはどう解釈すればいいんだろう?彼はやっぱり……。
そう考えると、理屈ではなく感性で観る映画かもしれない。
僕の中で、台湾映画は侮れない存在になりつつあります。
満足度:★★★★
c.『ファン・ジニ 映画版』(2007)
16世紀の朝鮮王朝時代に実在したひとりの女性を描いた物語。
ファン・ジニの生涯を知っている訳ではないが、どこか端折っている印象を受けた。
作品自体は悪くないと思うけど、表面だけを描いている気がして深みがなかった。
ファン・ジニ役は清楚なイメージがあるソン・ヘギョ。
彼女の演技から妓生として生きる女の覚悟、強かさ、
ゾッとする冷たさ、迫力みたいなものを感じ取ることが出来なかった。
ただ綺麗なだけで終わってしまっている。
ミスキャストとまでは思わないけど、
この役はTVシリーズ版のハ・ジウォンの演技で観たかった気がする。
相手役のユ・ジテ(ノミ役)は好きな男優のひとりだけど、
この作品では今ひとつだったかな。
ノミ役に成りきれていない印象を受けた。
そう。この映画にはぐいぐいと惹きつけられる魅力がなかった。
正直、ファン・ジニの妓生としての生き様を観れると思っていたのに、
彼女とノニの関係を中心に描かれていたので、
そこも魅了されなかった理由のひとつかもしれない。
2人の出逢いと別れの繰り返しだったので(しかも意外と簡単に再会できてしまう)、
最後は泣けるどころかもうお腹一杯状態でした。苦笑
結局、彼らは自分たちで己の首を絞めていたように思う。
特にノニの行動は最初から自業自得だと思えたし、
何をやっても説得力を感じられなかった。
自分に都合のいい解釈をしているだけというか、一種の空回り状態?
ソン・ヘギョが着こなす妓生の衣装は、髪型も含めて本当に美しかった。
チマ・チョゴリの姿も素直に可愛く映っていた。
それにしても、この時代の人間に対する不当な扱いには驚かされる。
男尊女卑はもちろんのこと、貴族は人間でそれ以外の平民は動物。
とても信じられないし、有り得ない考え方だと心底思った。
…韓国映画。描かれるパターンが判っているのに、ついつい観に行ってしまう。
それも韓国映画の魅力のひとつなのかな。笑
ちなみに【妓生:キーセン】とは…朝鮮王朝時代、
宮中において宴席での楽技披露や高官の歓待などを職業とした芸妓のことです。
満足度:★★☆

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