BEAUTIFUL SISTERS.

The Other Boleyn Girl
『ブーリン家の姉妹』(2008)
昔からこういう歴史物が大好きだった…特に英国物!
そんな訳で僕にとって、この秋いちばんの期待作でした。
かつて映画化にもなった『1000日のアン』で有名なアン・ブーリン。
その後のイングランドの歴史を大きく変えるきっかけとなった彼女と、その妹メアリー。
時代に翻弄されたブーリン姉妹の愛憎を描いた英国コスチューム劇。
史実とは微妙に設定が違うようなので、フィクションと思って観た方がいいかもしれない。
映画としては重厚な文芸作品というよりかは、やや娯楽映画寄りの作りだった。
ストーリー展開は、スピーディーでスリリング。
この辺りの雰囲気はアンの娘を描いた『エリザベス』に
通ずるものがあったような気がする。
すべて英国で撮影されたロケーションや色彩鮮やかな衣装は本当に美しかった。
特にブーリン家の頭文字【B】が装飾されたアンのネックレスが印象的。
外の風景が歪んで見える室内の窓ガラスも作品の意図を象徴しているように思えた。
父トーマス・ブーリン卿、叔父トーマス・ハワード、姉アンは強かで野心家。
母レディ・エリザベス、妹メアリー、弟ジョージは人間的な慎ましい生活を望んでいた…。
姉アンを演じたナタリー・ポートマン。
本来ならば英国出身のキーラ・ナイトレイが演じていてもおかしくない役どころ。
美しさを通り越して中盤からは魔性の女、
終盤は狂気じみたエキセントリックさが怖かった。
恐らく、その心中は誰にも理解できないほどの人生だったのだろう。
その辺りの心の変化や起伏の激しさを、
ナタリーはこれまで以上の演技力で感情表現していた。
彼女をいちばん美しいと思えたのは、王妃になった瞬間のシーンでした。
妹メアリーを演じたスカーレット・ヨハンソン。
姉とは対照的に貞淑で穏やかな性格。
当時の女性に最も多かったであろう受け身的女性だった。
スカーレットがこういうしっとりとした女性像も演じられることを改めて再確認できた。
僕的には『ゴーストワールド』を始めとする、こういう控え目な役柄の彼女の方が好きだ。
世間一般的には彼女に妖艶な小悪魔っぽいものを求めがちだけど…。
衣装も姉妹の性格を表すかのように姉はCOOL系、妹は暖色系の色調だった。
ナタリー&スカーレットの相性の良さが伝わってくる作品でもありました。
とにかく2人のファンは必見のパフォーマンス!
イングランド国王ヘンリー8世を演じたエリック・バナ。
やはり彼にはこういうクラシックな史劇がとても良く似合う。
男臭い容貌に、王としての風格と存在感が滲み出ていた。
性格的には傍若無人にしか映らなかったけれど、
彼は彼で【男】という世継ぎを遺さなければならないというプレッシャーがあったのだろう。
そのほかにも、新旧の英国男優の共演も見どころのひとつだった。
僕的に注目したのはアンと極秘結婚をした、
ヘンリー・パーシー役のオリヴァー・コールマン。
『つぐない』のあの憎きマーシャル夫妻も出演していました。
いかにこの時代に生まれた女性が子どもを産むため:家系を繁栄させるための
【道具】として扱われていたのかが解る。
アンはフランス宮廷生活を経験していたせいもあるのか、
当時の女性としては発想や行動が進歩的すぎたのだろう。
クライマックスの断頭台のシーンは、
史実を知っていたにせよ余りにもショッキングだった。
『高望みしすぎよ』…前半でメアリーがアンに告げる、
この台詞が最後まで活きているように思えた。
人は謙虚さを忘れてはいけないのだ。
この作品でいちばんの悪しき存在だったのはヘンリー8世とブーリン卿以上に、
一族の繁栄と名誉の欲に走り、ブーリン家を利用した叔父だと思う!
そう。この時代のすべての元凶は【男】なんだと言える。
穏やかなオープニングとエンディングの3人の子どもの対比が切なさを誘う。
…運命とはなんて皮肉なものなのだろう。
唯一、作品に対して難を言えば、
ブーリン姉妹を取り巻く周りの人物描写の説明が足りず、
解りづらい箇所があるということ。
その理由は後半の展開が駆け足すぎたせいもあると思う。
The Duchess
次に期待する英国歴史物は英米公開中の
キーラ・ナイトレイ&レイフ・ファインズ主演の『The Duchess』
18世紀に実在したデボンシャー公爵夫人ことジョージアナ・スペンサーの伝記物。
そう、彼女はあの故ダイアナ元妃の祖先なのです。
満足度:★★★★☆

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2 Comments

ken says..."じきに、裏切る"
僕も歴史物は好きです。
豪華絢爛系は特に・・・。
衣装けっこうゴージャスでしたよね。
Bを象ったアクセサリーも良かったし。

お話そのものはありがちといえばありがちですが、
テンポよく進んでて見やすかったかな。
何よりいまをときめく女優がふたりも出てるだけで、
スクリーンが輝きますし。
母親役のクリスティン・スコット・トーマスは、
重厚な演技で惹かれました。
エリック・バナはほんとこういうのが似合いますね。
相変わらず素敵にセクシーでした。

キーラは時代物多いですねー。
でも、彼女がいちばん輝いてるもんなぁ。
新作も期待です。
2008.11.16 16:38 | URL | #VaGrzmSs [edit]
Elijah(管理人) says..."kenさん。"
kenさん

kenさんも歴史物が好きなんですねー。
衣装は本当に煌びやかで豪華でした。
思わず、あの【B】のアクセサリーが欲しくなりましたもん。笑
映画自体はこの手のジャンルにしたらスピーディーな展開で面白かったですよね。
確かにナタリー&スカーレットの2人が映るだけで華がありました。
さすがクリスティン・スコット・トーマスは演技が巧かったですね。
品もありましたし、もう少し出番が欲しかったです。
エリック・バナは本当に『カッコいい!』…そのひと言に尽きます。
僕だったら喜んで、後先考えず愛人になります。爆
キーラ・ナイトレイは今の若手女優の中で、いちばんコスチューム物が似合うと思います。
ネームバリューもありますし、オファーも多いんでしょうね。
W・シェイクスピアの『リア王』の映画化にもキャスティングされているので、
これも楽しみのひとつです。
2008.11.17 13:24 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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