チャン・チェンとイーサン。

『ブレス』(2007)
ブレス
あぁ、やっぱりキム・ギドク監督の世界観は好き。
彼にしか表現できない、クセになる独特の不条理な世界。
今回はそれほど残酷には感じなかったけれど。
柔らかさは『うつせみ』寄りかなぁ。
こんなにも男の色気を感じるチャン・チェンを見たのは恐らく初めて。
その鋭い眼差しに、『ブエノスアイレス』以来のメロメロとなってしまいました。
もし自分が受刑者で彼と同室ならば、
間違いなくカン・イニョン演じる若い囚人と同じような心情に駆られていただろうなぁ。
環境や待遇がどうであれ、常に24時間一緒だったら、それはもう…。
『春夏秋冬そして春』に続き、
キム・ギドク監督が刑務所内での物悲しい四季を描いてました。
話は逸れるけど、今回のチャン・チェンを見て、
かつて大好きだった人を想い出してしまった。
顔の表情や雰囲気がとても良く似ていたんだよね。
思わず、その彼が恋しくなってしまいました。

『痛いほどきみが好きなのに』(2006)
痛いほどきみが好きなのに
僕と同世代で、『いまを生きる』の頃からずっと追いかけてきたイーサン・ホークが、
22歳の時に書き上げた自伝的処女小説を彼自身が監督=映像化。
先に観たジュリー・デルピー監督の
『パリ、恋人たちの2日間』とは対照的な作品でした。
両作とも台詞で魅せる映画には間違いないけど、
性別が違うだけでこんなにもテイストが変わるなんて。笑
『痛きみ』は若さ故の恋に恋してる時期の一生懸命さを描いてた。
甘酸っぱくて、青くて、女々しくて…
男というものはつくづく繊細&ロマンチストな生き物だと痛感。
イーサンの分身である主人公ウィリアムが、
距離を置かれた彼女の留守番電話に残す台詞は痛々しく、
男なら誰もが経験していそうなものだった。
下手に出たと思えば、上から目線で言い放ったリ。
僅か2、3分ほどの電話でどれだけ気持ちがジェットコースターになってることか。
正にその姿こそ、無我夢中であり盲目な恋愛風景。
ウィリアムが好きな彼女に【距離を置こう】とされるシーンは、
つい最近、僕が彼氏に伝えた言葉でもあるので妙にリアル感があったり。
過去の記憶も含めて、ちょっと居心地が悪い映画だったかなぁ。苦笑
恋愛に100%全力投球すると疲れちゃうよね。
ちなみに僕は別れることなく、前言撤回しました。笑
ウィリアムを演じたマーク・ウェバーは、
あの頃のイーサンのナイーブな面影を見事に再現していて、ピッタリだった。
特にラストのターコイズブルーのシャツを着てた時の
彼の吹っ切れた表情は最高にカッコ可愛くて。
個人的にはずっと映像化を待ってたネーミングにも愛着がある作品だったので、
この邦題もステキだけど、原題の『THE HOTTEST STATE』のままにしてほしかったな。
『好きだけじゃ、どうしてダメなんだ?』
『怖くてたまらない。君に好かれているのか自信がない』
『セックスしたら、もっとあなたを好きになってしまう、それが怖いの』
『私には“私だけの時間”も必要なの』
『どうしたら君を正しく愛せるのか わからない』
…こういう想いって、若い時に限らず、永遠のテーマなのかもしれないね。
イーサン・ホーク
↑映画館に展示されてた、イーサンの直筆サイン。

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6 Comments

ヒデ・グラント says..."君が痛みと呼ぶもの"
最近の邦題は平凡で面白みに欠けるのばかりだけれど、
『痛いほどきみが好きなのに』 は久々に心に突き刺さる直球ストレートな邦題だね。
タイトルだけで心動かされたもんな。
(原題は 『THE HOTTEST STATE』 っていうんだね)

恋愛って、甘いだけじゃなくてホロ苦いものなんだよなぁ。
相手の意思を尊重すればするほど自分のフラストレーションはたまっていくし、
自分の気持ちを主張すればするほど2人の溝は深くなっていくし。
年齢や経験を重ねることで、いろんなことを学習するわけだけれど、
それは同時に、恋愛を新鮮に感じる想いだったりドキドキ感・高揚感を失っていくことでもあったりして、ベストなタイミングでベストな相手と恋をすることほど難しいことはないのかもな。
2008.06.05 20:04 | URL | #IOg9bXQk [edit]
ken says..."恋愛至上主義"
ほんと男って繊細&ロマンチストだと思います。
ふだんは平気な顔してる人ほど、
恋愛が弱点だったり・・・。
いつだって女々しいのは男性なんですよね~。
そういう意味ではイーサン・ホークはわかってますよね。
この路線はなかなか正解だと思います。

邦題はちょっとベタな気もしますけど、
男性が共感を得やすいタイトルですね(笑)
ちょっと原題のままではなんのことかすぐにわからないですからね~。
小説と映画のタイトルは一致させる傾向がありますし、
ちょっと悩ましいところかも・・・。

恋愛って究極のエゴなので、
いろんな意味で大変ですよね。
でも、さいきんは大恋愛とかしてないので、
ずっぽりハマりたい気も・・・(笑)
2008.06.06 03:11 | URL | #VaGrzmSs [edit]
Elijah(管理人) says..."ヒデ・グラントさん。"
ヒデさん

『痛きみ』
この邦題はなかなかナイスですよね!
映画の核にも迫ってますし、配給会社のセンスが溢れてると思います。
原題の意味はちゃんと映画内で説明されてますので、いつか観た時にその部分もCheckしてみて下さいね。
やや比喩的な意味合いを兼ねてる感じです。

男って、恋愛に甘さを求めませんか??
極力、ほろ苦さ=傷つくのを避けようとする。
それは女性よりも精神力が弱いから…そんな気がします。
結局、恋愛を長続きさせる秘訣は、(いい意味での)妥協や相手に対する譲歩が必要だということですよね。
…で、ときめき感や刺激を求める人は、新しい恋や浮気に走ると。笑
そう考えると、ベストな状況でベストな相手と恋愛できるという確率は、大人になりきれてない:世の中に染まってない10代後半から20代半ばまでのような気がしますね。
それでいて恋愛というものは学習や経験を活かしきれない人生のミステリーだと思います。笑
2008.06.06 18:32 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
Elijah(管理人) says..."kenさん。"
kenさん

『痛きみ』
>普段は平気な顔してる人ほど、恋愛が弱点だったり・・・。
↑これって、kenさんのことですよね??そんなイメージがあります。笑
イーサンには昔から繊細なイメージがあるので、こういうジャンルを描くには打ってつけだったと思います。
あ、もちろんこの邦題でいいんですよ!日本版の小説でもこのタイトルですし。
イーサンがこの小説を書いて全米出版したと知った当時から、その原題がずっと頭に残ってたので、個人的に思い入れが強かっただけなんです。笑

恋愛って確かにエゴのぶつかり合いですよね。
上手く折り合いをつけていかないと『好き』という気持ちだけではやっていけないと思います。
僕自身もフラストレーションが溜まってしまい、それを相手に伝えたことで解決しましたから…つい最近の出来事です。笑
大恋愛!僕も最近はしてないですねー。
そういうのって、20代のうちに終わったような気がします。
もう恋愛だけで世界を中心に叫べないですから。笑
二度とあんな大量のエネルギーを遣いたくないですし。
なので今は穏やかな恋愛を好んでしまいますね。
それでも『痛きみ』ではなく(笑)『ブレス』を観た時は、かつての『殺したいほどアイ・ラブ・ユー』的な想いが過ぎりましたが(爆)…と同時に、もう二度とあれほど愛せる人とは出逢えないんだなぁ…とセンチメンタルな気分にもなりましたね。
2008.06.06 18:33 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
rogue says..."こちらにも~"
『痛きみ』観に行かれたんですね!
私はスルーしようかなと思いまして・・。

でも王子のレビュー拝読したら、とてもいい仕上がりみたいだし、
やっぱり観たくなってきた!まだ上映されてることを祈ります。

それより王子が彼氏に「距離を置こう」だなんて、
すごくショックでしたが、撤回されたようで、安心しました。

イーサン、地味ぃ~に来日してましたよね。
直筆サイン見たい!
2008.06.06 23:45 | URL | #- [edit]
Elijah(管理人) says..."rogueさん。"
rogueさん

『痛きみ』
うん。観てきました~。
初監督作だった『チェルシーホテル』はムゴい公開の仕方だったんで観れなかったんですけど、今回は自伝的小説の念願の映画化だったので、心待ちにしてました♪
えーーっ!rogueさん、スルーするつもりだったんだ!!こらっ!!!笑
イーサン・ファンなら必見だと思います!
んでも大阪は昨日で上映が終了しちゃいました…。
イーサン!そうですね、地味ぃ~に来日してた!
製作に日本人が関わってるせいもあると思います。
会見発表とかやってたのかなぁ??
『インディ4』一行様とは扱いが大違いですね…複雑…。苦笑
直筆サイン!思わず、名前の上を触りたくなっちゃいました。笑

それから…うん。彼氏への発言は撤回しました。
今はしばらく様子を見る感じかな。笑
なんかショック受けさせちゃったみたいで、ごめんね~…もうすっかり大丈夫なんで☆
2008.06.07 12:07 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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