僕はジャーナリストにはなれない。

『マイティ・ハート/愛と絆』(2007)を観てきた。
マイティ・ハート/愛と絆②
アンジェリーナ・ジョリー主演の実話を基にした社会派作品。
監督は英国の俊英マイケル・ウィンターボトム。
微妙に、彼の前作『グアンタナモ、僕達が見た真実』と
リンクする作品だった。
背中合わせとも言うべきか。
今作では、米国のジャーナリスト側から描く視点だった。
舞台はパキスタン。
テロリストの一味に誘拐され、殺害されたジャーナリストの夫。
夫妻の計り知れない気持ちを考慮すれば、同情する。
と同時に100%はそう思えない自分も正直、いた。
やはり他国の政治問題に関心を持つのはいいとしても、
首を突っ込みすぎるのは如何なものか?と思ってしまった。
なぜ、危険な地域へわざわざ出向くのか?
世界へ情報を発信(:報道)することは、
とても大切なことではあると思うけど。
…命があってこそのものだと僕は思う。
僕は絶対に自分がジャーナリストにはなれないと思った。
…恥ずかしながら、我が身がいちばんだから。苦笑

映画的には、ウィンターボトム監督らしいドキュメンタリー要素で描きつつ、
追跡劇としても十分に堪能できる。
ただ、世界情勢を詳しく知っておかないと、チンプンカンプンになる恐れが。
僕自身も登場人物の名前と、その人間関係を覚えるのに必死だったから。
主人公マリアンヌ・パールを演じたアンジーの演技。
久しぶりに彼女の本格的な演技を見た気がする。
最高のパフォーマンスと言える『17才のカルテ』以来かも。
今の実生活でのアンジーにとって、正にハマリ役。
夫を失ったショックでの慟哭シーンには魂を感じた。
ただ、マリアンヌのキャラクター自体には、あまり共感ができなかったのが辛い。
精神的に強すぎる一面ばかりだったから。
正に【マイティ・ハート:寛容的な心】の持ち主。
その辺りが、仏教への信仰心に繋がってるのだと思える。
個人的にいちばん嬉しかったのは、
『シューティング・フィッシュ』(1997)の頃から好きだったダン・ファターマンを
久しぶりにスクリーンで観れたこと。
最近の彼は脚本家(『カポーティ』)として成功してるから。

やはり僕は、中近東の社会情勢を描いた作品に強く惹かれる。
こういうジャンルを観るたびに、
普段の自分が如何に些細なことで悩めるのが幸福であるかを悟る。
でもすぐに又、元のぬるま湯(:平和ボケ)の気持ちに戻る自分もいる訳で…。

配給のUIP映画が日本を撤退するので、これが最後の配給作品となる。
何度も見てきたロゴマークを見るのが最後だと思うと、ちょっぴり切なく。
これまでたくさんの素晴らしい映画を提供してくれて、ありがとう。
長い間、お疲れ様でした。

…話変わって。
今日、家に届いたモノ。
それは誕生日プレゼントのアンコールだった。
大好きなLeTAOのスイーツが、こんなにもたくさん!
ケーキ③
温かなメッセージも添えられて。
その優しいキモチに心から感謝です。
……Hさん、本当にありがとう。

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4 Comments

ヒデ・グラント says...""
この映画のチラシやポスターに書かれていた
「本年度アカデミー賞最有力候補!!」 というコピーに騙されて(笑)、
いや、期待に胸を膨らませて観てきました。

アンジーの演技は鳥肌モンだったなぁ~。
ラスト近くの2回の慟哭シーン(うち一回は出産シーンだけれど)
・・・この演技があまりに強烈すぎて、ハッキリ言って全体がかすんでしまうほど。 主演女優賞イケルかもね!

ただ、「本年度アカデミー賞最有力候補!!」 というコピーのついた作品にアタリなし、という評判どおり?・・・だったかなぁ、僕的には(汗)。

この映画を観ていて思い出したのが、
イラクで拉致されて殺害された香田証生さんのこと。
ネットに流れた殺害シーン・・・あまりの衝撃にしばらく放心状態になってしまったんだよね。
世論も「自己責任」「自業自得」といった声が大半を占め、変わりはてた息子の遺体を引き取った家族がテレビに向かって深々と頭を下げてる姿がなんとも痛々しかったな。

アンジーの立ち居振る舞いは、それとはまったく対照的ではあったけれど、
>なぜ、危険な地域へわざわざ出向くのか?
この部分が理解の範疇を超えてしまってるため、共感できない部分が残るよね、やはり。

ちなみに、夫が救出されるまでの30日間、世界中のこの宗教の信者さんが彼の無事を祈りつづけていたのだとか。映画には描かれていなかったけれど。

>首を突っ込みすぎるのは如何なものか?と思ってしまった。

ちょっと話はズレるんだけど、観光地を旅しているとよく見かけるマナーの悪い観光客。彼らに対して、これに近い感情を持つことがあります。
別に呼ばれているわけでもないのに、他の土地までのこのこ出掛けて行って、そこに暮らす人たちに迷惑をかける非礼な行為。 
まさに ”旅の恥はかき捨て” といった感じだけれど、謙虚さって大事だよなぁ~とつくづく思う今日この頃。

あ、なんだか説教くさくなってしまったね(苦笑)。
2007.11.27 20:21 | URL | #IOg9bXQk [edit]
Elijah(管理人) says..."ヒデ・グラントさん。"
ヒデさん

ヒデさん、【本年度アカデミー賞最有力候補!!】という肩書きは当てになりませんよ。笑
アンジーの演技は良かったですけど、オスカー・ノミネートとまではいかないと思いますね、正直。
慟哭(もちろん泣く方のです…笑)のシーンは本当に強烈なインパクトがありましたよね。
ちなみにトム・クルーズの新作『大いなる陰謀』や『エリザベス:ゴールデンエイジ』も同様のコピーで謳われてますけど、全米では酷評の大コケだったのでダマされないようにして下さい。笑
まぁ僕はそれでも両方観に行きますけどね…イヒヒッ。

>ネットに流れた殺害シーン
↑僕ね、こういうの見れないんですよね。
と言うか、関係者以外、見てはいけない:見る権利はないと思うんです。
自己責任と自業自得の言葉。
大きくは否定できないですね…難しいところです。
ヒデさんもやっぱりマリアンヌ夫婦の行動に共感できない部分があったんですね。
逆にマリアンヌは、なんであそこまで寛容的でいられるんだろうと不思議でした。

行く先々の旅のマナー。
確かに謙虚さを持ってほしいですよね。
ゲストという考えではなく、お邪魔させて貰ってるという認識で行った方がいいと思います。
2007.11.27 20:47 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
ken says..."アンジー"
彼女の魅力だけで十分に成立する作品でしたね。
ほんとどんな役でも惹きつけられます。
たしかにこういう作品はどこまで主人公の動機にリンクできるかなので、
そこを超えられないとむずかしかなぁ。

UIPのラスト興行だったんですね・・・。
映画業界もあれこれ再編で、
いろんなことが変わっていきますね~。
2007.12.07 02:49 | URL | #2x.LPFvg [edit]
Elijah(管理人) says..."kenさん。"
kenさん

この作品…確かにアンジーの魅力、一本背負いの風格さえありましたよねー。
僕は彼女が演じたキャラクターに共鳴できませんでしたけど、kenさん的にはどうだったのか、ちょっと気になります。

そうなんです。この作品がUIP映画の最後の配給作品でした。
映画業界も、どんどん様変わりしていくようで…。
振り返れば、日本ヘラルド映画も角川映画に吸収合併されちゃいましたもんね。
これまでUIPが配給してきたユニバーサル映画は東宝東和が、パラマウント映画は自社配給会社を設立するみたいですね。
2007.12.07 21:38 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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