メゾン・ド・ヒミコ(日本)

【私を迎えに来たのは、若くして美しい男。彼は、父の恋人だった。】

製作発表の時からずっと見たかった。
秀作『ジョゼと虎と魚たち』の犬童一心監督×渡辺あや脚本による2度目のコラボなので。
見る前から、オフィシャル・ブックを買う程の力の入れよう(笑)↓
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今作も犬童監督らしい、人間に対して優しく、時には厳しい眼差しがあった。

この作品のゲイの世界観はユートピアだ。
女性脚本家からの視点なので、かなり甘ったるく描かれている。
本当のゲイの世界はもっとドロドロしている。
この点では、橋口亮輔監督(兼脚本)が描く『ハッシュ!』の方がリアリズムあるだろう。

ビリングトップのオダギリジョー。
本当にカッコいい。上下さりげなく着こなす白いスーツに、表情、目線すべてが様になっていた。
ヒゲの生え具合もかなりセクシーだ。
演じた春彦役は、物語の道先案内人的なもので、
抽象的に描かれているせいか、彼の真意が今ひとつ解らない。
出ずっぱりでもないので、助演的な役回りだったと思う。
この役柄が、僕の【宝物】に被った。
感情表現を余りせず、時に突き放すようなものの言い方や刹那的に生きる姿勢が。

柴咲コウは、正にハマり役だった。
実質の主役は彼女演じる沙織だろうし、この作品はゲイの視点から描いているものではないので、
彼女の心の成長記として見た方がいいだろう。
不思議の国に迷い込んだ沙織が孤独から解き放たれるまでの物語。

その2人のキスシーンがあったけど、それは妻夫木聡×池脇千鶴の方が圧勝でした(笑)。

ゲイを描く作品って、どうしていつも暗くなりがちなんだろう。
突き抜けた明るさがある作品を見た記憶がほとんどない。
それはきっと、いくら開けた世の中になったとは言え、
まだまだ閉鎖的で偏見や差別があるからなんだろうなと、ふと、そう思った。

一番印象に残ったシーンは、
登場人物みんなで尾崎紀世彦の名曲『また逢う日まで』をバックに踊るところ。
ボーダーラインのない世界を象徴しているようで、見ていて微笑ましかった。

ゆったりと流れる時間に、美しい情景。
本来のお盆のあり方を学ぶ。
ここ=メゾン・ド・ヒミコに集う彼らは、ようやく迎える事ができた【安らぎ】を得たかったのだろうな。

注意!!この先、結末について触れている箇所があります↓

ラスト手前、春彦と沙織が別れるシーンで彼が彼女に言うセリフが胸にきた。
『ちょっと、羨ましかったよ』
『お前がじゃなくて……細川さんが』
『もう……会うことねー…かな』
泣き出す沙織。
なんかかつての自分を見ているようだった。【宝物】が言いそうな言葉だったから。

とても好きなラストシーン。
僕もいつか、【宝物】に会いたい ピキピキピッキー☆

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梅田ガーデンシネマ/奈良ちゃん・藤原ちゃん

前売り券1500円→1450円
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