クソがモチに変わるのだ:リッチになるか、野垂れ死ぬか。

二日連続で映画を観る。

まず、初日は『花よりもなほ』
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先に買っておいたパンフレットを読んで、『観たい!』と不意に思い立った作品。
佳作『誰も知らない』の是枝裕和監督の新作は、自身初の時代劇で。
舞台は、元禄15年(徳川5代将軍綱吉の時代)江戸の貧乏長屋。
そこに住む訳あり風な人々の人情劇。
世の人々の関心事は、赤穂浪士が切腹させられた浅野内匠頭の仇を討つのかどうかという事で。
物語の主人公は、父の仇を討ちに信州松本から上京してきた若侍・青木宗左衛門(演じるのは岡田准一くん)。
とにかく出演者が豪華で、見た目にも楽しい。
その岡田准一を始め、宮沢りえ、いい意味でも悪い意味でも何を演っても古田新太、助演的出演で岡田クンの敵・金沢十兵衛役の浅野忠信、もはや日本映画界の顔になりつつある香川照之、國村隼、原田芳雄、宮沢りえとの16年ぶりの再共演が妙に嬉しかったりする中村嘉葎雄、地味だけどやっぱり演技が上手い田畑智子、役柄のせいなのかちょっとふっくらした感のある夏川結衣、石橋蓮司、意外に俳優として溶け込んでた上島竜兵、木村祐一、千原靖史、加瀬亮、平泉成、絵沢萠子、ここではいつものアクの強さが薄まった役柄だった寺島進、遠藤憲一、田中哲司、中村有志、石堂夏央、若手成長株もチラッと出演の勝地涼、田中祥平、あえてコミカル棒読み演技でのチョイ役出演トミーズ雅、南方英二。こんな風に若手からベテラン、果てはお笑い勢まで大挙出演。
そんな中でも、特に印象に残った俳優陣はこの4人で。
岡田クン。やっぱり存在感あるし、若手の中でも演技上手いなぁ…と思ってしまった。
初の時代劇にも違和感なかったよ。
どうもジャニーズ系って苦手だったりするんだけど(自分と被るから。笑)、彼は結構好きだったりする。
大阪府枚方市出身というのもあって、関西人としても親近感が沸くし。
さっきまでビデオに録って見てた『Mステ』でのカッコ可愛かったこと!
V6としてのNewシングル『グッデイ!!』を、何度もリプレイで見ちゃったせいか振り付きで覚えてしまったよ(笑)。
作品冒頭での古田新太との2Shotには、ぶっさんとオジーを連想しちゃって、ひとりニヤニヤしてしまった。
これでますます秋公開の『木更津キャッツアイ ワールドシリーズ』が楽しみになってきた!
嫡男ありの未亡人・さえ役の宮沢りえさん。彼女、やっぱり上手いねぇ。
可憐で清楚で品があって、時代劇もぴったり。
安定した演技で作品がユーモアに走りすぎた時も、彼女がしっかりと手綱を締めてくれた感あり。
ちょっとオツムが弱い孫三郎役の木村兄。実はいちばん印象に残ったのが、彼の演技だったりする。
抜群の存在感で周りを喰ってたような。
孫三郎がなにげに言う台詞。
『桜は、次にまた自分が美しく咲くのを知ってるから、潔く散れるんだ。』が心に響いたなぁ。
もちろん、『たくさん!たくさん!たくさん!』も真似したくなるくらい、心にHITしたけどね(笑)。
一匹狼的な、そで吉役の加瀬亮クン。見ようによっちゃオダギリジョーに見えて仕方がなかった。特に暗い場面で。
そもそもこの役柄自体をオダジョーが切望してたようなイメージもあるし。
それにしても加瀬クン、細すぎ~。腕なんて、折れちゃいそう。
この作品、本格的な時代劇が好きな人にはフザケ過ぎと思われるかも。かなりあり得ない展開や設定だったりするんで。
是枝監督はずっと重たいテーマの社会派作品を描いてきたので、今作では観終わった後に気持ちよく映画館を後に出来る作品を作りたかったんだと思う。
その点が、根底に流れるユーモア精神だったんだろうな。
うん。ジャンル的に言えば、時代劇コメディ。
なので始まって30分くらいからは、そういうものだと思って観ることに変えた。
印象に残る台詞が、クソをモチに変えよう。で。
この作品の中での意味合いは、憎しみを優しさに変えて…みたいな。
是枝監督自身が今の世の中に対して、あえて時代劇という設定を借りつつ僕らに訴えてる気がした。
憎しみから憎しみは何も生まれないし何も変わらない、と。
その精神は伝わってきた気がする。
ただ全体的にユーモアと真面目な場面が上手く噛み合ってないように思えて、テーマが散漫になってしまった感がある。
雰囲気は好きなんだけどなぁ。
なので、どうも心にずっしりと来なかったのが惜しい。
それから。予告編でラストカットを見せるのは禁じ手だと思う!!
せっかくの宗左(=岡田クン)のとびきりのスマイルの意味がなくなっちゃう。
最後に流れるテーマ曲は、耳に残るしとても心地よかった。
MEMO:梅田ピカデリー
2006.6.16 19:10
金券ショップ1000円
奈良ちゃん
点数評価:69点

2日目は、『ゲット・リッチ・オア・ダイ・トライン』
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この手の作品を僕が観るのは意外かもしれない。
いちばん真逆の立場だろうし。
なんで観たかと言うと、まず主演のラッパー歌手カーティス・“50セント”・ジャクソンの半生に興味を持ったから。
父親を知らずに育ち、母親(彼女が15才の時の子!)さえも何者かに殺害されて、その後は母親と同じ家業に就き(=ドラッグ【クラック】売り)、その流れで刑務所に服役し、服役後は挙げ句の果てに何者かに9発の銃弾を撃たれて…それでも不死身で、後に人気ラッパーのエミネムに見出されてHIP HOP界のカリスマとなる。
凄く壮絶な人生じゃない??
もちろん50セントの自伝的小説の映画化とは言え、脚色もあるようだけど。
50セント演じる役名も、マーカスだし。
この彼の半生を、社会派のイメージがあるアイルランド出身のジム・シェリダンが監督することにも強く惹かれたのも理由のひとつ。
彼の『父の祈りを』は、めちゃくちゃ好きだったりする。
舞台はN.Y.クイーンズ。
常にギャングスタと麻薬と銃がはびこる社会で。
この点が、自分とかなりのギャップがある。
とても同じ時代に生きてるとは信じ難くて。
あぁも簡単にストリートで、麻薬に銃が手に入るなんて!
生きる事に対して、否応なしにサヴァイバルとなる現実。
どうしてもエミネムの『8 Mail』と見比べてしまった感がある。
彼らにとって音楽というモノが、どれだけ身近で救いとなるのかがひしひしと伝わってくる。
ただ、彼が口にするRAPの危険度は怖いもの知らずの本気の命懸けで、凄いよなぁ…と思わずにはいられなかった。
実は50セントの音楽って聞いたことがない。
これまでイカついイメージしかなかったけど、案外笑うと可愛くて、ちょっと優しいイメージに変わったなぁ。
シェリダン監督の起用は最初こそなんで?って感じだったけど、よくよく考えて見ると、50セントが住む世界と彼が住んでいたアイルランドの世界観(=IRA)が似てるような気がするから正解だったのかもしれない。
ギャングの描き方(=攻防戦とか)が、とても迫力あったし。
時間軸を前後させた展開も、なかなかよかったと思う。
これが、このハイライトに繋がるんだみたいな。
全体的にはちょっとダルい部分もあって、マーカスの刑務所時代の仲間バマ役のテレンス・ハワードが本格的に出てきた辺りでやっと盛り上がってきた気がする。
それにしてもテレンス…絶好調だねー。
最近、ブラック・ムービーにも関心があるんで、夏公開の彼主演作『ハッスル&フロウ』も観に行こうかなぁ。
ひとまず『ゲット・リッチ…』は、観てよかったと思える作品だったのには間違いない。
そうそう。アフリカ系アメリカ人のキス・シーンって、ねちっこく感じるかもしれないけど、僕はソウルを感じて好きだなぁ。
強烈な印象が残るティーザー・ポスター。
赤ちゃんを抱きながら、背中にあるのが銃だなんて…↓
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MEMO:シネ・リーブル梅田
2006.6.17 14:30
前売り券1500円
単独
点数評価:67点

偶然にもこの2作品に共通してるものは、今の自分の人生をどう楽しく生きるか、どう責任もって生きるべきなのかだったような気がする…。

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4 Comments

chocolate says..."なるほど~"
おはようございます。

「ゲット・リッチ~」
私の弟が50¢好きなのですごく薦められたけど、
(うちの弟ってめちゃRAPが好きなんですよー)
私どうもこの手の作品は好きじゃないので
「パス」って思ってましたがイライジャさんの
レビューを見ると中々面白そうですね。

しかし9発撃たれて死なないっていうのは本当に不死身ですね。(笑)
2006.06.19 08:42 | URL | #jEdBk3EI [edit]
Elijah says..."●chocolateさん"
こんばんは☆

chocolateさんの弟さん…50¢好きのRAP好きなんですかー。
ファッションもストリート系ですか?
それだったら絶対にこの作品、薦めてきますよねー。
僕も昔はこの手の作品は苦手だったんだけど、エミネムを知ってから興味を持つようになりましたね。
…とは言うものの、初日に行ったにも関わらず、場内は結構空き空きでしたが。
ぜひ映画館で…といった作品ではないので(笑)、機会があれば見てみて下さい。
その時は、ぜひぜひ弟さんと一緒に(笑)。

9発撃たれて死なないのは、本当に奇跡としか言いようがないですねー。
銃弾に倒れた2PACを思い出しちゃいました。。。
2006.06.19 20:39 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
nouilles-sautees says..."こんにちは~"
nouilles-sauteesでございます。
今日はコメントありがとうございました。

岡田くん、私も好きですねぇ。
V6としてはよくわかりませんが、さっさとそんな活動やめて俳優に専念したら?って思います。

日本映画、見たいのがいっぱいあります。この映画もネットで見て気になってましたが、他の俳優陣も豪華でますます見たくなりました。

是枝というのと侍という要素があるので、これはフランスにも来そうな予感がしますが、いったいいつになるやら・・・。
2006.06.19 21:51 | URL | #- [edit]
Elijah says..."●nouilles-sauteesさん"
こんにちは。
こちらこそ、初コメントありがとうございます☆

nouilles-sauteesさんも、岡田クン好きなんですかー。
確かにV6では(いい意味で)ひとり浮いちゃってる気がしないでもないんで、俳優業に専念してもいいかもしれないですねー。

この作品…ホントにキャストが豪華ですよ。
それを観るだけでも価値はあるかもです。

是枝監督は海外でも評価高いようなので、フランス公開ありそうですねー。

nouilles-sauteesさん、これからもよろしくお願いします!
2006.06.19 23:00 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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