隠された答え。

またまたフランス映画を見に、映画館へ足を運ぶ。
昨日観たのは、去年のカンヌ国際映画祭で話題となった『隠された記憶』
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ドイツ出身のミヒャエル・ハネケの新作でもある。
彼に持つイメージは、ラース・フォン・トリアーとキム・ギドクと同じで【S】の気があるということ。
その彼の作品を、今作で初めて観る。
『ファニー・ゲーム』はドギツそうな内容に、どうしても観る気になれなかった。『ピアニスト』も痛々しそうで。これを観た、当時の職場の先輩は絶賛してたけど。
今回は、僕が好きなジャンルでもあるサスペンス・スリラー風の題材に惹かれて。

ストーリーは…。
TV局の人気キャスターであるジョルジュと妻アンにひとり息子のピエロの3人家族の元に、ある日、送り主不明の一本のビデオテープが自宅前に届く。そのビデオには、何者かが外から盗み撮りしたと思われる家族3人の日常生活を延々と映し出していた…。

正直、観終わった直後の感想は、『訳が解らへん!』だった。
とにかく、消化不良で助けて!という感じ。
あれだけの伏線を用意しといて、あの終わり方はないだろう。
フランス映画は曖昧だから…で済ませれる問題じゃない。
日常生活を描いた作品なら、全然許せるけど。
ここまで問題提起しといて、あとは観客の想像に委ねます的な締め方は解せないなぁ。

オープニングからエンディングまで、全く音楽がない。
そこにあるのは、日常的な音と人の会話のみ。
クレジットの出し方がユニークで、ちょっと惹かれた。
延々と映し出される同じ場面。長回しで撮っている。
疲れてる状況で見ると、極度の睡魔に襲われる可能性大。

ジョルジュを演じたダニエル・オートゥイユ。
しばらく見ない間に、オヤジ度UP。
昔は、よくロバート・デ・ニーロに似てるなぁと思ってたけど。
僕の中では、『王妃マルゴ』のイメージが強い。
映画館で観るのは、『メルシィ!人生』以来かも。
アンを演じたジュリエット・ビノシュ。
昔は強かそうで、苦手だった。
だけど、観たいと思う作品になぜか出てて。
『ショコラ』を見てから、彼女に対する評価がいい方向へ変わって。
今作では、かなり体型がオバサン入ってたのが気になったけど。
実生活での夫ブノワ・マジメル=『ピアニスト』主演男優の紹介でハネケと仕事をする事になったんだろうなと思ってたら、彼女の方が先に彼と仕事してた=『コード:アンノウン』で。
オートゥイユに執拗に絡む役柄を演じたワリッド・アフキは、今後、要Checkの若手男優になりそう。

★注意!ここから、ネタバレあります★
物語に残された多くの謎は…。
①一体、誰がビデオテープを録画していたのか?録画の視線位置が、気になる。
②子ども時代のジョルジュと幼なじみのマジッドとの間に、実際に起きた出来事とは?
③マジッドがジョルジュの目の前で自殺する理由は?
↑このシーンに、一緒に観た女子友達とイスから飛び上がって、その席の列を揺らしたのは事実で(笑)。かなり痛々しくて、ドギツかった!
④妻アンヌはジョルジュとの共通の友人であるピエールと本当に浮気しているのか?
⑤マジッドの息子がジョルジュに言い放つ台詞『疚しい』の真意とは!?⑥衝撃と言われてるラストカットでのジョルジュの息子ピエロとマジッドの息子との親密そうな会話の中身は?ひょっとすると、この事件の真犯人はこの2人!?
↑ここが、むっちゃ気になる!!

全編、集中しながら観たけど、何ひとつとしてこの謎が解けなかった。
この手のジャンルのハリウッド映画なら、絶対に問題解決して終わるはずなのに!
エンドロールが終わっても、まだなにかありそうな気がして身動きできなかった…。

映画館を出てから駅で別れるまで、延々と友達とこの謎について語り合った。
ひとつひとつのシーンを確認し合いながら。
こうでは?という考えに答えが見つかりつつも、やっぱり辻褄が合わず振り出しに戻されてしまう。
これ、誰かと一緒に観といてよかったよぉ。
ひとりで観てたら、このモヤモヤ感は永久的だったと思うから(笑)。

僕らが考え出した【答え】。
父を不幸にされたマジッドの息子が、幼き頃のジョルジュが親に告げ口をしてマジッドを施設に送り込んだやり方(ここに【疚しい】という言葉がリンクする)と同じように、ジョルジュの息子ピエロにある事ない事を吹聴して(母親アンが浮気してるとか)、ピエロを動かし、ピエロにビデオを撮らせ、すっかり母親を信じきれなくなったピエロが両親の行動を観察してたのかも。
だけど、ここに疑問点が。
父に育ててくれた事を感謝しているマジッドの息子が、父が自殺をしてまでこの行動をする必要性があるのかという事。
父マジッドの自殺は、彼の想定外?
マジッド親子が住むあの部屋をピエロが撮影したとはとても思えないし。
なので、ビデオテープの目線が気になった…。
誰か、この作品の解読書をくれーーーっ!!!
…と言うか、僕にはハネケのセンスは合わないかも。ここまで語っちゃいるけど(苦笑)。
彼がこの作品で伝えようとする、【答え】よりその【過程】に意味があると解ってても!

MEMO:テアトル梅田
2006.6.6 19:00
メンズデー1000円
山ちゃん
点数評価:60点

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5 Comments

Chocolate says..."私なりの見解"
こんばんわっ。

この映画は色々考えちゃいますよねー。
ハネケの作品のヒントは割とタタイトルになると思うんですが、
私はジョルジュの自作自演かなーって思った。
鶏の首を刎ねたのも実は自分なのよ。
なのにマジッドのせいにして。
そういう忌まわしい過去と向き合う為?
っていうか自分を戒める為に始めた事が
大事になっちゃって。(笑)

でもこの映画は誰がビデオを送りつけてかっていう犯人探しよりも、
自分の過去の疚しさとどう向き合うかってことを
ハネケは描きたかったのかな~と。

難しくて私もわかんないや。

http://blogs.dion.ne.jp/chocolate_chocolate/archives/3339110.html

ちなみに「コード:アンノウン」も見てます。
貴重な映像持ってますよ。(笑)

http://blogs.dion.ne.jp/chocolate_chocolate/archives/3285501.html

ハネケ映画祭にも行きました。

http://blogs.dion.ne.jp/chocolate_chocolate/archives/3327390.html
2006.06.08 21:43 | URL | #jEdBk3EI [edit]
Chocolate says..."LINK"
書き忘れました。

イライジャさんとは見てる映画が割と同じだし、
こちらのブログの雰囲気も好きなので
もしよかったらLINKしても良いですか?(*^_^*)
2006.06.08 23:43 | URL | #jEdBk3EI [edit]
Elijah says..."●Chocolateさん"
こんばんは☆

ハネケの作品は、タイトルにヒントが隠されているんですね。
Chocolateさんの見解は、ジョルジュの自作自演ですか!?
うーん、なるほど。
僕も観ながら、実はジョルジュは人格障害なのかも…とは思いましたが。
記憶のすり込み違いとか。

やっぱりハネケは、犯人捜しよりもそこに行き着くまでの過程みたいなものを描きたかったのかもしれないですね。
うーん、ハネケ苦手だ…(笑)。

そういえば、『ファニー・ゲーム』のハリウッド・リメイクの話が持ち上がってましたね。

それから…LINKの件。
ぜひぜひよろしくお願いします!
確かに、僕が観たい作品をほとんどChocolateさんは先に観てるので、
親近感が湧きます(笑)☆
2006.06.09 17:57 | URL | #d/k.Dt.. [edit]
Chocolate says..."ありがとうございます。"
こんばんわっ。

「ファニー・ゲーム」リメイクの話があったなんて!(驚)
でもあの作品はあのままで十分です。

LINK、早速させて頂きました。
こちらもLINKはOKです。
ありがとうございます。そう言ってもらえて嬉しいです。(*^_^*)
2006.06.09 22:33 | URL | #jEdBk3EI [edit]
Elijah says..."●Chocolateさん②"
少し、レスが遅くなってしまいました。

こんにちは☆

『ファニー・ゲーム』のリメイクは、ナオミ・ワッツ主演で企画があがったようなんですが、どうやら立ち消えになっちゃったみたいです。。。

LINKの件、ありがとうございます。
では、こちらもLINKさせて貰いますね☆
これからもどうぞよろしくお願いします!
2006.06.11 13:08 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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