ウォーク・ザ・ライン/君につづく道(アメリカ)

【型破りなラブストーリー、これは真実の物語】

伝説のカントリー歌手ジョニー・キャッシュと、
彼と供に生きたジューン・カーターの愛の軌跡を描く音楽伝記映画。
申し訳ないけど、僕はこの2人の存在を知らなかった…。

とにかく、その2人を演じるホアキン・フェニックス(ジョニー)と
リーズ・ウィザースプーン(ジューン)のパフォーマンスには圧倒される。
演技はもちろん、歌も自身の声で見事に披露していて。
アカデミー賞主演男優・女優賞のノミネートも納得の拍手もの!

僕自身が映画を映画館できちんと見始めて、かれこれ13年が経つ。
その間にたくさんの俳優たちを見てきた。
そんな彼ら2人も端役の頃から見続けてきて。
なので、今作でのその成長ぶりが自分のコトのように嬉しかった。

特にホアキン!
今作のジョニー役は、幼い頃に最愛の兄を亡くす設定。
ホアキン自身も俳優であった実兄リバー・フェニックスを、ホアキンが19歳になったばかりの頃、
彼の目の前でコカインとモルヒネの大量摂取により息を引き取るのを見ていた。
劇中、ジョニーがジューンに亡き兄について語るシーンはリアリズムがあり、その事件が重なり、僕は涙せずにはいられなかった…。
カントリー歌手として大成功した後、
ミュージシャンお決まりのドラッグとアルコールに溺れていくジョニー。
そのホアキンの演じぶりは、まるでジョニーが乗り移ったかのようなクレイジーぶりで。
もちろん、歌うシーンも抜群の存在感で。
響き渡る低音ボイスがタマらなく、演じる目と声に力みなぎるものがあった。
対するリーズは、落ち着いた演技で表現。
時代設定の中心となった1960年代のファッションを着こなし、
可愛く時にはエレガントにその時代を生きる女性に成りきっていた。
予想外にスウィートな歌声も、本当に上手いの一言に尽きる。

肝心の物語は、前半はジョニーの気持ちを丁寧に描いていたけど、
彼がすべての事から再起していく最も重要な後半は
性急できちんと描かれていないように思えた。
父親との長きに亘る確執後の和解など、いいエピソードがたくさんあったというのに。
ジューンの両親の彼に対する懐の深さにももっと感動できただろうに。
その辺りがアカデミー賞の作品賞と脚色賞にノミネートされなかった理由なんだろうなと思えた。
あえて同じ伝記物で比較するとならば、『Ray/レイ』の方がドラマ性もあり秀逸だと言える。

監督兼脚本(共同)のジェームズ・マンゴールドは、
毎回多彩なジャンルをそつなく仕上げる職人技をもっているけど、
ドラマ性の強い作品については
あと一歩の登場人物に対する深みが描ききれてないような気がする。
『コップランド』然り。『17歳のカルテ』は僕的には秀逸で満足な出来だけど。
音楽は、本当に人の心を豊かにするものなのだと改めて痛感する。
ミュージシャンには、なにかしらのトラウマがあるものだと再確認もしつつ。
それがあってこそ、オーディエンスに深いなにかが残るのかもしれない。

オープニングとエンディングのジョニーに対する高揚感はなんとも言えない心地よさがあって。
僕も彼らと同じように喝采したい気持ちになった。
ホアキンとリーズの素晴らしいパフォーマンス。
その2人の演技だけでもいいので、ぜひ多くの人に見てもらいたい!!

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2005年/136分
テアトル梅田/奈良ちゃん
前売り券1500円→1300円

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