疾走(日本)

【誰か一緒に生きてください。】

ラブリーで大好きな友人のひとりであるYUKIさんのBLOG【Life affair】の記事を読んで、
どこか心に残っていた。
元を正せば、彼女が書いていた映画の原作である小説の紹介記事を目にした時だったと思う。
表紙に衝撃的なインパクトがあった。
それから暫くして、彼女が書いた映画の紹介記事を読んで、改めてこの作品に興味を持って。
ふと、この作品のことを思い出し、調べたら公開終了日が明日と判明。
友人を誘って急いで観に行くコトにした。

観終わった後、しばし放心状態となる。
心にずっしりときて、とても重たくて。
でも観てよかったと心から思える。
それはとてもエモーショナルな作品だった。

主人公であるシュウジ=福原秀次を取り巻く【運命】と【宿命】。
なにげない日常の中で、誰もと同じように普通に生きてきた彼に突如襲いかかる様々な事柄。
それは彼の人生をとてつもない方向へと導いていく…。

監督兼脚本のSABU。彼の作品を見るのは初めてで。
ずっと生理的に合わない監督だと勝手に思っていたから。
どことなく作風が是枝裕和監督に似ている気がした。
『DISTANCE/ディスタンス』、『誰も知らない』に。
テイストは豊田利晃監督の『青い春』も連想した=苛めの部分で。
クラスでいちばん仲のいい友人が、気がつけば敵になっている悲しさ…。
シュウジ役の手越祐也。
アイドル・グループ『NEWS』のメンバーのひとり。
ジャニーズ系らしい愛くるしいフェイスは役柄に合っていたと思う。
エリ(南波恵利)役の韓英恵。
どこかで見たことがあると思っていたら、『誰も知らない』に出ていた彼女。
冷たく見える印象が役柄に合っていて。
アカネ役の中谷美紀。
過去最高のパフォーマンス。主演、助演にこだわらずに出演し続ける姿勢には好感が持てる。
作品毎に違う印象を受けて。
今作でも、一歩間違えれば嫌なオンナに思える役柄を好感度UPに演じていて、
観客の心を鷲掴みにしていた。
関西弁も無理なく発し、やっぱり上手い女優さんだと改めて思う。それにしても、本当に美しい。
新田役の大杉漣。
毎回見る度にダンカンと見間違う(笑)。クレイジーな極道ぶりはさすがの一言。
鬼ケン役の寺島進。
インディーズ系の作品には必要不可欠となりつつある存在。
出番が少ないながらも、強烈なインパクトが残る登場シーンだった。
宮原雄二役の加瀬亮。
彼も出番が少ない中、強烈な印象を残していて。
役柄的にはとても可哀想な人だと思った。【運命】に見放されたように見えて。
優しすぎる性格が災いしたとしか思えなかった。
神父(宮原雄一)役の豊川悦司。
最近の彼は余り好きな俳優ではなかったけど、今作では好演していていい印象に変わった。
シュウイチ役の柄本佑。
実生活では父が柄本明、母が角替和枝。風貌がとても父に似ている。
役柄的にはとにかく最悪だった。嫌悪感を示してしまうほど。
弱者が弱者を苛める、人を見下したような感覚がもう許せなくて。
ほかに菅田俊、高橋ひとみ、田山涼成、鈴木一真、矢沢心、平泉成が脇を支える。

作品中、宗教が描かれていた。
はっきり言って僕には、宗教に対するいい印象がない。
なぜ、人は宗教にハマる、すがる、逃げるんだろうと疑問視しているので。
だけど、今作を見てほんの少しだけだけど宗教を必要とする人間の存在を、何様だと思われるかもしれないけど認めようと思えた。

僕は日常、よく口癖で『刺し殺すよ。』と言ってしまう。もちろんジョークの一環としてだけど。
劇中、その『殺す。』という言葉が何度も出てくる。
それは本当に深い意味を持ち合わせていて。
その光景を見た時に、軽々しく口にすべきことではないと反省した。

全体的に悔やまれる点が2つあった。
ひとつは、主演の2人(手越と韓)に演技力がなかったこと。
これはかなり致命的だった。
特に手越は映画初出演と言えどもセリフを棒読み状態。
犬の鳴き声を真似るシーンには、
本来ならばシュウジの切なる痛みが伝わってくる場面であるはずなのに、
失笑してしまいそうになる。
重松清の原作は未読なので一概には言えないけど、
この役は少し前の藤原竜也か今の瑛太で見たかった気がする。
そして、もうひとつ。
予告編で、本編中にハイライトとなるシーンを先に見せてしまっていたこと。
とても印象的で、キャッチコピーにも使われているセリフだ。
感動が薄れてしまったような気がしてならない。
この2点さえクリアしていれば、ほぼ完璧に近い出来だったというのに!

帰りの電車の中で、
なぜだか理由が分からないけど突然込み上げてくるものがあって、泣きそうになる自分がいた。
それはきっと僕自身も、【誰かと繋がっていたい】と思っていたからだろう。
そんなことを考えていた矢先、偶然、妊娠7ヶ月の友人が同じ車両に乗っているのに気づく。
すぐに声を掛け、母子共にとても順調そうに話す彼女を見て、
生まれてくる子供が幸せであることを祈らずにはいられなかった。

最後に。
記事の紹介を快く了承してくれたYUKIさん=ツージィに心からの感謝を。
彼女の記事を読まなければ、僕はきっとこの作品を見過ごしていただろうから。
この作品は僕にとって、とても大切な一本になりそうな予感がする。
いつか小説版も読んでみたいし、
僕もシュウジとエリと同じように、ただガムシャラに走りたいなと思えた。

20060212123423.jpg

2005年/125分
梅田ガーデンシネマ/フッチー
会員料金1000円→1600円

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2 Comments

YUKI says..."こんばんは。"
なんかこんな素晴らしい記事に
リンクしてもらって感激してしまいました。
心からどうもありがとう。

私ははっきり言ってこの映画、
小説にのめり込んだから観にいって
小説対映画の見解が頭から離れず
フラットな、映画としての感想は持てなかったから
Elijahさんはこう観たのか・・とすごく感慨深かった。

主演のふたり、確かに初々しかったね。
お互い感情を表に出せない性質設定なので、まあ
持ったほうかなと思ったんだけど
陸上部のホープのエリの走りのフォームが
ペタペタ・・って感じで、レクチャーして欲しかったな。
お互いの繋がりに「走ること」は
不可欠な訳だし。

あの音楽、すごく感情に響くよね。
2006.02.09 21:38 | URL | #- [edit]
Elijah says..."YUKIさんへ。"
コメントありがとう♪
こっちこそ、いい作品を教えてくれてホントに感謝してます。
観終わった後も、しばらく数日間引きずるほど僕にとっては衝撃的な作品でした…。

エリは陸上部のホープの設定だったんだね。
そこまでだとは気づかなかったよ(汗)。

そうそう!S.E.N.S.の音楽、凄くよかったよね。
感情と一緒に心に響いたもん。

また小説読んで映画化になる作品で良さそうなのがあったら教えてね。
次は中谷美紀繋がりで、5月27日公開の『嫌われ松子の一生』だね♪
2006.02.10 19:39 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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