浮遊機雷。

あしたのパスタはアルデンテあしたのパスタはアルデンテ②
『あしたのパスタはアルデンテ』(2010)
●観た理由●
描かれる題材に惹かれたので。
●豆知識●
【アルデンテ[Al dente]:パスタの理想的な茹で方の呼称。
芯に固さの残った歯応え、コシが残った茹で方のこと。
本来の意味は、『歯に当たる』『歯応えのある』というイタリア語。】
『イタリア映画祭2011』上映時の邦題は『アルデンテな男たち』。
原題の『浮遊機雷』とは、
作品に登場するお祖母ちゃん(イラリア・オッキーニ)のことを示している。
●覚え書き:この映画を観て思ったこと●
なかなか良かったけど、自分が想像していた作風とは違っていた。
もっとドタバタしたコミカルな展開だと思っていたので。
確かに随所随所で笑えるけど、根本的なものはシリアスに感じたかな。
イタリア(と言うか欧州)はGAYに対してかなりオープンなイメージがあったので、
舞台となった美しい街(南イタリア、レッチェ)では
まだまだ保守的な思想が残っているのかもしれないなと気づいた。
特にこの作品で描かれる一族は家長制度のような厳格なものがあったし。
そういう点においてはいかにもイタリアらしい家族の絆を表現していたと思う。
物語的には主人公である次男トンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)の
彼氏マルコ(カルミネ・レカーノ)と3人のGAYの友人たちが登場した辺りから、
かなり展開が楽しく面白くなってきたかな。
トンマーゾとマルコのカップルは観ていて素直に微笑ましかった。
互いを信頼し合っていることがしっかりと伝わってきたし。
GAYの友人3人の言動や行動は“いかにもGAY”という感じ全開で、
こちらも観ていて本当に楽しそうだったし笑わせて貰えたなぁ。
逆にトンマーゾと老舗パスタ会社共同経営者の娘アルバ(ニコール・グリマウド)の
関係性は、アルバの立場から観ると切ないものがあったり。
でも、『メゾン・ド・ヒミコ』のような
GAY⇔女間の一線を越えてしまう“有り得ない”展開にならなくて本当にホッとした。
自分がGAYだとトンマーゾよりも
先に家族へカミングアウトした長男アントニオ(アレッサンドロ・プレツィオージ)が、
作品の途中でほとんど登場しなくなったことは物語的に勿体なく感じてしまった。
もう少しだけ彼の言い分や心情を描いてあげてほしかったな。
それにしても現代でもGAY=病気だと捉える発想に驚いてしまう。
トンマーゾの彼氏マルコの言う通り、
病気ではなく“個性”だと理解してほしいと心から共感する。
父親ヴィンチェンツォ(エンニオ・ファンタスティキーニ)の自身の浮気はOKで、
アントニオの性的指向はNGだという発想もどうも納得いかなかったし。苦笑
ラストシーンはまるでトンマーゾの白昼夢を疑似体験しているかのような気分になる。
思わず、韓国映画『パラレルライフ』のラストシーンが頭の中を過ぎってしまった。
その光景はあの後もトンマーゾは、
まだまだ自分の人生に迷い続けることを示唆しているようにも思えた。
自分がGAYだといつか両親に伝えるのだろうか?
…そんなことを考えながらエンドロールを見つめている自分がいた。
あしたのパスタはアルデンテ③あしたのパスタはアルデンテ④
●満足度●
★★★☆

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2 Comments

sabunori says..."主役はおばあちゃんでは?"
Elijahさん、おかえりなさい!
「旅立つ=旅行」と受け取ってしまった私ですがそれで正解でしょうか。
だとしたら行き先がどちらだったのか気になるところです~。
旅行記はナシなのですね・・・残念。
いずれにせよ無事のご帰還よかったよかった。

この作品期待せずに鑑賞したのですが思わぬ拾い物でした。
テーマとしてはそれほど目新しくはないのですがなかなか面白かったです。
しかし私もElijahさん同様トンマーゾの父親の思考回路がいまひとつ理解できず・・・
あれだけあからさまな浮気で妻を傷つけることには心も痛まないのに
息子の件で周囲の目があれほど気になるとは。
人って面白いですよねぇ。
考えてみたらイタリア映画を観るのは久しぶりだったのですが
ストーリー以外でもファッションや一家の暮らしぶりや家の家具類、果ては車まで
見ているだけで心が浮き立つような作品でした。
アジア映画ではこのあたりがなかなか満たされないんですよねぇ。(笑)
2011.09.29 10:34 | URL | #JalddpaA [edit]
Elijah(管理人) says..."sabunoriさん。"
sabunoriさん

ただいま戻りました!TBありがとうございます。
“旅”についてはほかの方にも聞かれたのですが、今回はノーコメントということでこのBLOGで伝える予定はないんです(済みません)。
でも、無事に帰還しました!ありがとうございます!!

この作品、僕はお祖母ちゃんの存在は助演だと思いました。
正直なところ、このお祖母ちゃんの若かりし頃のエピソードは要らないなぁと思ってしまいました。
自分の性的指向のこともあり、ついついトンマーゾの視点で観てしまった部分が大きいからだと思います(お祖母ちゃんの存在自体は大きいと思いましたが)。
トンマーゾの父ヴィンチェンツォの思考回路は身勝手で保守的だと思いましたが、この世代だと致しかねないところもあるのかなと考えたり。
キャラクター的にはどこか憎めないものがありましたね。
あの後、アントニオと上手くいってほしいです。
僕もイタリア映画を観るのはかなり久しぶりだったので、すっかりテイストを忘れていましたが、やはりいろんな意味で“濃い”ですよね。
同じくイタリア映画の『人生、ここにあり!』も評判がいいので気にはなるんですが、WOWOW待ちになりそうです。
2011.09.29 11:51 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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あしたのパスタはアルデンテ
ローマに住むトンマーゾ(リッカルド・スカマルチョ)は作家志望。 実家は南イタリアのレッツェにあるパスタ会社を経営しており、 兄のアントニオ(アレッサンドロ・プレツィオージ)が社長に就任することになっている。 いよいよ兄の社長就任と共同経営者一同の食事会?...
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