オリエント急行殺人事件(イギリス)

【この中に犯人がいる?】

原作は言わずと知れたミステリー作家アガサ・クリスティ女史。
彼女の圧倒的なストーリーテリングは見事で、作品を見る度にその結末に驚かされる。
傑作『情婦』(1957年)↓然り。
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今作の結末も、余りにも有名だ。
最近では、『親切なクムジャサン』(2005年)がそれを踏襲していたように思える。
いや、オマージュかもしれない。
その結末だけを知りたくて過去に流し見したコトがあるんだけど、
今回初めて最初から最後まできちんと見れる機会に恵まれて。

当時の映画界を代表するオールスター・キャストによる
今は無き大陸横断国際列車(=オリエント急行)内で起こる密室殺人事件を描く。
その謎を解くのは、名探偵エルキュール・ポワロ。

正に夢のような俳優陣。
アルバート・フィニー、ローレン・バコール、マーティン・バルサム、イングリッド・バーグマン、
ジャクリーン・ビセット、ジャン=ピエール・カッセル、ショーン・コネリー、ジョン・ギールグッド、
ウェンディ・ヒラー、アンソニー・パーキンス、ヴァネッサ・レッドグレーヴ、レイチェル・ロバーツ、
リチャード・ウィドマーク、マイケル・ヨーク。
実力と人気を誇った名優たちのアンサンブル。

彼らを仕切るポワロ探偵を演じたフィニーの独特な容貌と演技は見事ながらも、
ややオーバーアクトを感じてしまったのは事実。
最近では、『エリン・ブロコビッチ』(2000年)と『ビッグ・フィッシュ』(2003年)で好演してたけど。
『いつも2人で』(1967年)↓で共演したオードリー・ヘップバーンとのロマンスは有名。
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バコールとバーグマンの共演は、
ハンフリー・ボガートを思い起こさせるものがあって感慨深いものがある。
前者は彼の生涯最愛の妻であり、後者は『カサブランカ』(1942年)の共演者だから。
カッセルは僕らの世代はご子息ヴァンサンの方に愛着がある。
コネリーは丁度、『007』シリーズ(1962~1971年)降板後のもがき苦しんでた頃。
パーキンスは、ここでも『サイコ』(1960年)のノーマン・ベイツを連想させるセリフあり。
レッドグレーヴは全盛期の頃。生き生きとしている。
後に、『アガサ/愛の失踪事件』(1979年)でアガサ自身を演じているのも不思議な縁だ。

そして、これだけの多彩なキャストをそつなくまとめ上げた
シドニー・ルメット監督の手腕に拍手する。
彼の功績は本当に素晴らしい。
映像はソフトフォーカス過ぎて、ぼやけていたのが難点だった。
特にバコールのフェイス・アップ時!明らかなシワ隠しだ(公開当時の彼女は50歳)。

肝心の物語は、まるで舞台劇を見ているよう。
いささか犯人の動機や共通点に無理があるように思えたりもするが…。
ここまで協力し合って復讐してくれる人たちがいて、【彼ら】はある意味、幸せ者だったような。
おっと、これ以上は語れない(笑)。
何はともあれ、俳優陣の名演と共に
十分に堪能するコトができる密室推理劇であるのは間違いない。

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1974年/128分
WOWOW

★★★☆

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2 Comments

ree says..."アルトマンの"
「ゴスフォード・パーク」が好きで、群像劇(は元々
好きなジャンル)のミステリーっておもしろそう…
と思い、オリエント~も見てみなきゃと思いつつ
未だ見てません。。
アルトマン作品はキャストもおいしくて内容も好き
なものが多いけど、逆にキャストがスゴ過ぎて
内容イマイチな作品もあったり…(「スリーパー」
とか「オーシャンズ11」とか)

オリエント~もキャストすごいね。
知らない人も多いけど、知ってる俳優もたくさん。
レッドグレーヴはアントニオーニの「欲望」が
好きでした。他はあんましちゃんと見た事なくて、
「17才のカルテ」の院長とか?

ヴァンサンって2世だったのね。
てゆーか、父ちゃんのジャン=シーモア検索して
たら、アルトマンの「プレタポルテ」や「コミック・
ストリップ・ヒーロー」など、私の好きな映画に
主役級で出てるおっさんでしたわ。。
親子って知らんかった。
2006.01.24 22:13 | URL | #- [edit]
Elijah says..."reeさんへ。"
僕も群像劇は大好き!特に『ゴスフォード・パーク』はタマらない内容。
確かに群像劇は脚本が命だよね。
あと、でしゃばらない俳優がいないコト!ひとりでも抜きん出て目立とうとする奴がいたら、それでオジャンだと思う。
あっ、でも『スリーパーズ』は結構好きで、『プレタポルテ』は好きじゃないな(笑)。

レッドグレーヴは、そう!『17歳のカルテ』。あとは、reeさんが苦手な『ハワーズ・エンド』と『湖畔のひと月』とか。後者は当時の【パラダイス・シネマ】で円卓テーブルにティーを飲みながらの変わった上映の仕方で、作品よりも記憶に残ってる(笑)。
彼女の出演作でいちばんインパクトあるのは、やっぱりオスカーの助演女優賞を獲った『ジュリア』かな。

うん。ヴァンサンは二世みたい。
ちなみに、『好きと言えるまでの恋愛猶予』に出てるセシル・カッセルは母違いの妹みたいだよ。
大好きなマチュー・カソヴィッツも二世だし、フランス俳優も二世が多いみたいだね。シャルロット・ゲンズブールもそうだもんね。彼女の両親は余りにも有名すぎるけど。
2006.01.25 22:14 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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