ゲンズブール、英雄の生命。

ゲンズブールと女たち
『ゲンズブールと女たち』(2010)
●観た理由●
セルジュ・ゲンズブール(1928-1991)の人生に興味があったので。
シャルロット・ゲンズブールの実父の物語だから。
●豆知識●
この作品の監督(兼脚本)であるジョアン・スファール(もともとはバンド・デシネ)の
グラフィックノベルを基に製作されている。
日本公開版(上映時間122分)は、
本国フランス版(130分)より8分間短いRecut Version。
●覚え書き:この映画を観て思ったこと●
存命中の人物たちに配慮したのか当たり障りのないように、
サラリと描いているように思えなくもない。
自分がユダヤ人であることと、
容姿に対するコンプレックスが極端に強い人だったのだと感じた。
僕から見れば才能溢れる人物に映っていたけど、
本人にとってはそのせいで自分に自信がなかったのだろう。
“醜男”と表現されていたけど…そうかな?
洒脱な伊達男という雰囲気で色気があると僕は感じたし、
多くの女性が彼に惹かれたという理由が理解できたのだけど。
劇中に実娘であるシャルロット・ゲンズブールの幼き姿が登場するので不思議な感覚に陥る。
もちろん、本人が演じているわけではないが。
セルジュ・ゲンズブール役のエリック・エルモスニーノは演技というより
なりきりぶりが凄いとしか言いようがなく、その姿はもうセルジュ本人にしか見えなかった。
ゲンズブールと女たちゲンズブールと女たち②
ゲンズブールと女たち③ゲンズブールと女たち④
直前に偶然、TVで見た『あの夏の子供たち』に出演していたことも気づいていなかったし、
彼の実年齢が47歳と知って驚いた(もう少し若い世代の男優と思っていたので)。
晩年のセルジュを演じていた時はハビエル・バルデムに似ていると感じたり。
ゲンズブールと女たち⑤
“ゲンズブール”を取り巻く“女たち”の中では、
ブリジット・バルドー役のレティシア・カスタと
ジュリエット・グレコ役のアナ・ムグラリスが印象に残る。
特にアナは出演シーンが僅かながらもその姿は本当にエレガントで美しかった。
代わる代わる登場する“女たち”や物語の展開に関しては余り説明がないので、
事前にある程度の予備知識を頭に入れておいた方が解りやすいかもしれない。
僕は彼についてなんとなく知っていたけど、劇中のブリジット・バルドーの登場辺りで
故ロジェ・ヴァディム監督の人生と混同してしまったり。苦笑
裏を返せば、それくらい本国フランスでは
誰もがセルジュの人生について当たり前のように知っているということなんだろうね。
彼が作った数々の音楽が随所で効果的に使用されていたけど、
僕が聞き覚えのある曲は世間で物議を醸した『Je t'aime... moi non plus』だけだった。
セルジュの子ども時代の少年と“分身”=ラ・グール(面)が
抽象的に頻繁に登場する辺りも印象に残る。
ジョアン・スファール監督自身が描いた冒頭のイラストも、
『ピンク・パンサー』シリーズのオープニングを彷彿とさせるものがあって印象的。
振り返れば、伝記物というよりは自分のアイデンティティーを見つけようと模索していた、
ひとりの男性の物語だったのかもしれない。
●満足度●
★★★☆

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