スタンドアップ(アメリカ)

【私なんか、と何度も思った。お前なんか、と何度も言われた。
それでも、立ち上がってみようと思った。】


まず、日本の配給会社のマーケティングの仕方が間違っていると思った。
この作品、女性の観客を励ましたり、爽やかな余韻を残す作品とかではない。
全米で最初にセクシャル・ハラスメント訴訟に勝った女性の物語であり、
かなり深刻な社会派ドラマだからだ。

冒頭で実話だと知り、驚く。
とにかく観終わった印象は、『重たかった。』の一言に尽きる。
僕が最も生理的に苦手とする男尊女卑を描いていた。
社会(=職場)で、男が女性に対して行うセクハラの日々。
卑猥な言葉を連発し、時には言語道断でもあるレイプ紛いの事もする。
女性に対して、性的な事しか連想できない、なんて単細胞な人たち。
知性も教養も全く感じることができない。
常に【俺たちのルール】で生きる姿勢に嫌悪感さえ感じる。
社会背景にそうならざるを得ない状況があるんだろうけど、
不愉快極まりない上、前半は正直かなりキツかった。
なぜ、女性を敬うことが出来ないのだろう!?
男女雇用均等法が謳われる昨今、こういうケースがあった事実に衝撃と怒りさえ覚える。

被害者であるジョージー役のシャーリーズ・セロン。
アカデミー賞最優秀主演女優賞受賞作『モンスター』↓以来の実在の人物による大役。
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印象は、やはり『モンスター』の方が強く残る結果となったけど。
今回の役柄は、持って生まれた美貌が仇となる哀しい宿命だった。
彼女自身がそこをもっと自覚していれば、こんな苦労はしなかっただろうに…。
ジョージーの同僚であり良き相談相手グローリー役のフランシス・マクドーマンド。
タフなイメージ通り、今作でも逞しい演技を披露していた。
もう少し、彼女の部分も描いてほしかったと思う。
ほかにもショーン・ビーン、シシー・スペイセクらベテラン勢ががっちりと脇を固める中、
久し振りにウディ・ハレルソンとスクリーンで再会できたことが妙に嬉しかった。
役柄もジョージーを援護する弁護士ビル役で善良的だったし。
彼のちゃんとした出演作を映画館で観るのは、『エドtv』以来だ↓
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全体的な雰囲気は、秀作『エリン・ブロコビッチ』に似ていた。
ただ、今作はドラマ性が弱い気がする。
いい物語だと思うのだけれど、感動的な涙は流れないのだ。
それは、ジョージーの父親と息子が彼女をなかなか信頼しない点にイライラしたせいかもしれない。
彼らが彼女を信頼しなかったら、一体誰がするというのだ!?
終盤に向かうにつれて、作品の焦点がぼやけてしまったのがなんとも惜しい。

20060115163615.jpg

2005年/124分
梅田ブルク7/奥野
招待券0円→1250円

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