クリスチャン・ベール。

思い出の映画を当時の記録そのままに。
映画館で観た英国俳優クリスチャン・ベールの出演作たち。

『コーンウォールの森へ』(1998英)
【<妖精と出逢ったあの夏>を僕は忘れない…】
コーンウォールの森へ
観るからに、英国独特の低予算映画だなと思った。寓話(自然)とサスペンスを混ぜ合わせたような作風。どことなく、テイストがピエル・パオロ・パゾリーニ監督ぽい。ジョン・ハート。僕のイメージでは、アクが強い。でも、この作品では『U-571』(2000米)のハーベイ・カイテル同様、とても穏やかないい演技をしていて意外だった。こんな優しい表情が観れるなんて。時折、表情がレックス・ハリソンを思い起こさせた。クリスチャン・ベール。彼が出ていなかったら、この作品を観に行ってはいなかっただろう。寓話とか、そういったジャンルは好きではないし。今作のクリスは、僕の中でイメージ通りの定番の彼で、繊細で危うい雰囲気がとても合っててよかった。この後に続く『シャフト』、『アメリカン・サイコ』は共にダーティな役だし。大好きなイーサン・ホークと雰囲気がすごく似てて、役柄も似通ってる気がする。いつか、共演してくれたらいいのに。この作品には、今の自分にはなく、遠い昔に置き忘れてきた純な気持ちがあるなと思った。人間と自然・動物の共存。とても難しく、この作品を観てても、矛盾を感じる部分があった。僕は、緑がたくさんあるコーンウォールよりも、都会のイギリスの街並みの方に目がいったし、懐かしく思えた。60点。

『シャフト』(2000米)
【STILL THE MAN(奴しかいないぜ!) 文句あっか?】
シャフト
友達が試写会に当たったので、一足早く観た。観る前から、この手の作品は苦手だし、絶対つまんないだろうと思ってたので、全然期待せずに観たら、意外とよかった。オープニングのタイトルの出し方など、映像がCoolでスタイリッシュだし、スピード感がある展開もイイ!70年代ブラック・ムービーの代表作である『黒いジャガー』シリーズのリメイク作だけど、現代風にアレンジしつつも、レトロな感覚がよかった。特撮に一切、頼らずに見せきった迫力あるアクション・シーン。ハラハラドキドキしながら観れた。あの有名なアイザック・ヘイズのテーマ曲(妙に頭に残る)に、音楽の使い方もよかった。音響のかなりいいホールで観れたのもラッキーだった。いい映画には出てると思うけど、どうも好きになれないサミュエル・L・ジャクソンはシャフト役がサマになってたけど、気取りすぎの感があった。ヴァネッサ・ウィリアムズは、大した事のない役で、なんか老けてた。彼が出てるから観たかった、クリスチャン・ベールは金持ちの悪役で、観る前はいつもの好青年役のイメージが強いので、「こういう役は見たくないなぁ。」と思ってたけど、なかなかサマになっててよかった。雰囲気(特に顔つき)も本当のワルに見えて、演技力を確認できた。日本での次の新作『アメリカン・サイコ』がますます楽しみになってきた。顔がUPのシーンがけっこうあって、ますます精悍でかっこよくなってた。リチャード・ラウンドトゥリーの顔は見た事あったけど、彼が初代シャフトとは知らなかった。『ER/緊急救命室』のグロリア・ルーベンがカメオで出てたのは、ちょっとしたサプライズだった。印象に残ったのは、もう一人の悪役、ジェフリー・ライトだった。キレタ演技や雰囲気がなかなかよかった。とても、あの『バスキア』の彼とは思えないほど。ジョン・シングルトン監督の映画におけるセンスはいいと思った。話は、単純なようで少し複雑だけど、いかにもブラック・ムービーという感じで、雰囲気で見せきった作品だと思う。ラスト(事件の幕切れ)には、ちょっとビックリした。娯楽映画としたら、上出来だと思う。ただ、なんでも暴力や銃で解決しようとするシャフトに疑問を感じたのは事実。70年代の時には、それがCoolだったかもしれないけど、現代の今では「ちょっと違うんじゃないの?」と正直思った。70点。

『アメリカン・サイコ』(2000米)
【パトリック・ベイトマン、27歳。ウォール街のエリート証券マン。
趣味はエクササイズと殺人】
アメリカン・サイコ
去年、米国公開の映画だというのに、すごくレトロな作りでシンプルな作品だった。もろインディーズ映画という感じで、1980年代のB級映画を観ている気がした。まぁ、時代設定がそうで、それが狙い通りと言われれば、うまいと思えるけど…でもね。メアリー・ハロン監督は、スタイリッシュに撮ったつもりだろうけど、勘違いに思える。大好きな主演のクリスチャン・ベールは、全裸も厭わない、正に体当たりの狂った演技をしていて、魅力的だった。ある意味、滑稽。でも、当時のロングの髪形が今ひとつ似合ってなかったし、彼にはこういった汚れ役より、やっぱり優しい青年役の方がいいと思った。せっかくの通好みの共演陣も、活かしきれてなく、残念な結果に。印象に残ったのは、クロエ・セヴィニー位。『ボーイズ・ドント・クライ』とは、また違った演技力に感心した。今の時代にも通ずる、物質主義な若者の歪んだ精神状態を、うまく表現してたとは思う。サイコ物と言うよりは、ブラック・ユーモアがかなり利いた風刺物だった。もちろん、残虐なシーンもあるけれど。当時のサブ・カルチャーに詳しい人が観ると、もっと楽しめる作品だと思う。ヤッピー集団の、名刺一つにこだわるシーンには失笑。ただ、話の終わり方が、『ここまで引っぱっといて、それかい!』って感じで、もっと違う結末であってほしかった。この映画もそうで、『ザ・メキシカン』もそうだったけど、最近の日本独自が作る劇場予告編は、ラスト・シーンを使うので嫌だ。それはルール違反だと思う。70点。

『コレリ大尉のマンドリン』(2001米)
【彼は弾き続ける──人生の喜びを伝えるために。】
コレリ大尉のマンドリン
英米での評判が芳しくなかったので、期待せずに観たら、意外とよかった。ただ、原作は読んでいないが、深さを描ききってなかったように思えて、物足りない気がする。いい所だけを、掻い摘んだ感じで、伝わりきらなかった所があると思う。そこが、評価の分かれ目だったのでは…。特にキャラクターの深層心理。もう少し、長くなってもいいので、その部分を描いてほしかった。ニコラス・ケイジの役は、最初は陽気なイタリア人に思えたけれど、映画が進むにつれて、シビアになっていく。その辺をニックは、そつなく、上手に演じていた。話も、そういう感じに進んでいって、後半は観ていて、辛くなってくる。戦争の惨さ…。信じられない衝撃的なシーンもある。ペネロペ・クルスは、ほんとにCuteだった。黒髪のせいもあるのか、引かれるものがある。華麗なダンス・シーンの美しいこと!自然体の演技がいい。彼が出てるから観に行った、大好きな、クリスチャン・ベールは精悍でかっこよかった!!!ますます男らしくなっていく。中盤からの彼は、髭もじゃで汚れてたけれど、それでも、瞳は美しすぎる。一番よかったのは、ジョン・ハート。ペネロペの父親役を、上手かつ見事に演じていた。落ち着いた演技は、本年度のオスカー助演物!今までの彼の演技の中で、この役が最高だし、好きだ。特に、彼が娘に、愛について語るシーンが印象深い。セリフが、とてもよかった。
『恋とは地震みたいなもので、かーっとなってる時が愛だとみんな思っているけど、そうじゃない。全てが燃え尽きて、無くなった時、もう終わったと思った時に残るものが愛だ。それをずっと貫いていけるんだったら…。』
舞台となった、ギリシア・ケファロニア島も美しかった!でも、それに匹敵するくらい、そこで起こった実際の出来事に、悲しくも驚かされる。やはり戦争は、悪い事しか残さない。それでも、ラストの、悲惨な出来事の後に起こる、『奇跡』に救われる。そして、人間の生命力の強さにも…。74点。

『マシニスト』(2004西=米)
【すでに1年間365日眠っていない。】
マシニスト
2005年2月26日/シネ・リーブル梅田/奥野・奈良ちゃん
…クリスチャン・ベイルの驚異的な痩せこけた姿に、一瞬、躊躇する。物語において、その痩せの原因となったのが不眠症だった。しかし、結末がどうもしっくりとこない。正直、その程度の理由だったのかと思ってしまった。別にそこまでの設定は要らないと思ったし、説得力がなかった。どことなく、『アメリカン・サイコ』と『メメント』を思い出す。物語はきちんと謎が解けるし、不安を煽る独特の映像色も良く、決して悪くはない出来なのだが。ただ、彼のあの異常に痩せている姿が強烈すぎた為に、もっと精神的に追いつめられる内容を期待していた結果、拍子抜けしてしまったのだ。予告編から想像するものとは、あまりにもかけ離れてしまっていた。金額評価950円(前売券1500円)。

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