キング・コング(ニュージーランド=アメリカ)

【彼は彼女だけを信じた――彼女だけは彼を守ろうとした――】

上映時間188分。まず、この長さに驚かされる。
『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズのピーター・ジャクソン監督によるハリウッド超大作。
公開直前まで編集していたという凝り性ぶりは健在だ。
音楽も、『LOTR』シリーズの盟友ハワード・ショアとの訣別により、
急遽、ジェームズ・ニュートン・ハワードへ交代となった経緯がある。
何はともあれ、無事に公開されて、ホッ。

僕はオリジナル版を見たことがない。
記憶に残るのは、1976年のジェフ・ブリッジス、ジェシカ・ラング主演版だ。
見る前に抱いていたイメージは、ブロンド美女と野獣。叫び声。エンパイア・ステート・ビル。

大恐慌時代(1930年代初頭)のN.Y.。
主要登場人物がショービズ界と関わりがあるという設定が僕的にオイシすぎる。
劇中、数々の実在女優の名に当時のハリウッドを思い出すものがあって。

今作の印象は、前半は氷山にぶつかるまでの『タイタニック』、
中盤以降は『ジュラシック・パーク』シリーズ(特に第2作)を思い起こさせるものがあった。
裏を返せば、『JP』シリーズが『キング・コング』オリジナル版(1933年)に影響されたということか。
『LOTR』シリーズを時折、思い出した。仲間意識が芽生え、供に行動するという点で。
映像においても、全景を映し出し徐々に近づいていく撮影手法は、
正に『LOTR』シリーズのスケール感ある大きさだった。

キャストが通好みでタマらない。
アン・ダロウ役のナオミ・ワッツ。
実生活での親友であるニコール・キッドマンにとても似ていることを再確認する。
今後、タイプキャストになりかねないこのような役を引き受けた潔さは拍手もの。
カール・デナム役のジャック・ブラック。初めて見るシリアス演技。
すべての元凶は彼演じるカールだと思う。最後の最後まで反省の色がなかったのが痛い。
ジャック・ドリスコル役のエイドリアン・ブロディ。やっぱり大好き。今作では正統派ヒーロー。
イングルホーン船長役のトーマス・クレッチマン。
エイドリアンとは『戦場のピアニスト』以来2度目のコラボ。
冒頭の共演シーンに思わずニヤリとさせられる。やっぱり男臭くてカッコいい。
プレストン役のコリン・ハンクス。
久々に見る実生活でのトム・ハンクスのご子息。特に印象に残らず(苦笑)。
ジミー役のジェイミー・ベル。
あの『リトル・ダンサー』のビリー・エリオットのいい感じの成長ぶりに思わず微笑ましくなる。
ナオミ演じるアンと一緒に船上で軽やかにステップを踏むシーンはファンサービス(笑)!?
そして、『LOTR』シリーズのゴラム役で一躍有名となった
アンディ・サーキスがタイトルロールを演じる。
おまけに、【人間】のコックのランピー役としても登場、二役だ。

ジャクソン監督の演出ぶりは、全盛期のスティーヴン・スピルバーグ監督を彷彿とさせる。
こよなく映画を愛する気持ちが伝わってくるからだ。
正に、観客の気持ちを鷲づかみさせるエンターテインメント性と熟知されたカメラアングル。
もはや今のハリウッドで娯楽大作を撮らせたら彼以外に右に出る者はいないだろう。

観客が抱く【キング・コング】への怖さはいつしか愛着あるものへと変わっていく。
僕自身、クライマックスは【彼】の立場で見ていた。
もう少し、その彼とアンの心通わすシーンを見たかった気がする。
それにしても、いつの時代も人間のエゴにより犠牲となる者がいるということが嘆かわしい。
やはり人間は成長できない生き物なのだろうか…。

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ナビオTOHOプレックス/奥野

前売り券1300円→1350円

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2 Comments

shin-g on mixi says..."これ"
ほんと素晴らしかったよね。観るつもりなかったんだけど、観て良かった。

ピータージャクソンは、LOTBのゴラムと言い、今回のコングと言い、社会から拒絶される者への視点が暖かくて良いです。

ジェイミーベルは普通にハンサムに成長してびっくり!
ナオミ・ワッツ、ニコールのインタビューでしか知らなかった(笑)けど、いい女優さんね。
エイドリアン・ブロディ、こんなにかっこいいと思わなかったー。鼻デカ、くらいで(失礼)。
ジャック・ブラック、本当に嫌な人類の比喩で、憎たらしいのは芝居が素晴らしいから。

きゃー、いい映画だとやっぱりたくさん話したくなるねー。
2005.12.20 20:43 | URL | #MdsX5xmo [edit]
Elijah says..."shin-g on mixiさんへ。"
shin-g on mixiさん、見る気なかったんだ。見て正解だったよね(笑)。

手放しで大絶賛までとはいかないけど、映画館で見るに値する大作映画だったとは思う。

ジェイミー君の新作『DEAR WENDY ディア・ウェンディ』が気になってる…東京ではもうすでに上映してるよね。
ナオミの作品見たコトなかったんだね…なんか意外。彼女の作品では、『ル・ディヴォース/パリに恋して』がお薦めかな。未見だけど、『ニコール・キッドマンの恋愛天国』にも出てるみたいだよ。
エイドリアンは、スパイク・リーjoint『サマー・オブ・サム』で惚れたので(笑)、一度見てみて。
JBは、『ハイ・フィデリティ』と『スクール・オブ・ロック』の彼が好きでね~。なので、今回のシリアス演技には驚かされた!

うん。ホント、たくさん話したくなるね。
いつかの再会の時まで楽しみに取っとくよ♪

コメントありがとね!!
2005.12.23 16:25 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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