大奥。

大奥大奥②
『大奥』(2010)
●観た理由●
漫画家よしながふみ作品の実写映画化なので。
大奥①←第一巻『水野・吉宗編』を映像化。
佐々木蔵之介が出演しているから。
●豆知識●
“男女逆転”の江戸、徳川の時代を生きる主な登場人物たち。
【一.水野祐之進(二宮和也)→器量と剣の腕で大奥での出世を遂げていく、貧乏旗本の子息。
『ここは暗い…輝くばかりの美貌や才能を持つ者たちが
ひしめいているというのに、みなの心が暗いのだ…』

二.第八代将軍:徳川吉宗(柴咲コウ)→策謀の果てに将軍の座を掴んだ女傑。
『私は知りたいのだ。この国の民がどう生き、何を感じているのか』
『なんとまぁ、馬鹿馬鹿しいほど着飾った男どもだ』

三.お信(堀北真希)→叶わぬ恋に生きる大問屋の娘。
『旦那なんかいなくたって生きていけます。男と違って女は強いですから…』
四.大奥表使い:鶴岡(大倉忠義)→自他共に認める大奥最強の剣士。
『この大奥で大切なのは、美しい顔と処世術よ!』
五.大奥呉服の間:垣添(中村蒼)→水野に淡い恋心を抱く純真なお針子。
『何も入りませぬ…ただ、思い出を…』
六.大奥御中臈:松島(玉木宏)→美貌、聡明さに際立つ、大奥究極の美男。
『この先、大奥にて見聞きする事、一切他言無用である』
七.加納久通(和久井映見)→穏やかな表情に切れ者の一面を隠す、将軍吉宗の腹心。
『噂以上に大奥とはすさまじき所でございますな』
八.大奥御三の間:杉下(阿部サダヲ)→生きるために大奥にあがった古参の男。
『役にも立たぬ金魚鉢の中で、ただ飼われている事が我らの仕事なのだ』
九.大奥総取締:藤波(佐々木蔵之介)→その力を表の政にも及ぼそうと企む
大奥最大の権力者。
『我らを敵に回して表向きの政がうまくいったためしは一度たりともない…』】。
●覚え書き:この映画を観て思ったこと●
期待以上の仕上がりで、食い入るように魅入ってしまった。
起承転結ある物語の構成力と独創性。ユニークかつ斬新な発想力。
やはり、よしながふみが描く世界観が好きだと実感する。
その美しい世界観を忠実に映像化した金子文紀監督の手腕はお見事。
演出の面では『木更津キャッツアイ』シリーズの監督だったので、
安心できていたところもあったけど。
脚本はよしながふみの代表作の一本である、
『西洋骨董洋菓子店』のTVアニメ版を担当した高橋ナツコ。
よしなが氏の世界観を熟知している人が関わっていたことも功を奏したと言える。
登場人物たちが着こなす衣装が本当に鮮やかで美しい。眩さすら感じる。
大奥
物語のメインとなる二宮和也(水野祐之進役)と
柴咲コウ(徳川吉宗役)の演技は素直に良いと思えた。
ニノの演技にはどこか惹かれるものがある。
時に現代風に演じてしまう辺りが少し気になったけど
(それは『硫黄島からの手紙』でも感じた)、許せる範囲内。
実は観る前は水野祐之進役が合っていないのでは?と感じていたのだけど、
鑑賞中はそういうことが全く気にならなくなるくらいの好演ぶりだった。
対する柴咲コウは『格好良くアッパレ!』のひと言に尽きる。
大奥②
徳川吉宗役は本当にピッタリで威圧感とも取れる存在感を見事に放っていたし、
役柄的にも“男前”でいちばん印象に残る人物となった。
前半はほとんど出番がなかった分、
クライマックス&ラストシーンは彼女が場をさらう構成となっていた。
その辺りが意外な展開と思えたり。
お目当ての佐々木蔵之介(藤波役)は嫌味な人物像を、
やや舞台調の大袈裟に思える演技で披露。
彼の声はスクリーンの中でもよく通っていた。
舞台“Team申”公演繋がりとして、浅野和之(御伽坊主役)との再共演が嬉しく思えたり。
玉木宏(松島役)はこういう役柄が意外と似合っていて好演していたと思う。
“特別出演”扱いとなっている割りに、かなり出番が多かった。
ちなみに蔵之介さんと玉木宏のラブシーンに関しては大騒ぎするほどのものではない。
大奥③
やはり日本のメジャー映画における同性愛描写はまだまだだと感じた。
実は観る前から不安視していたのが阿部サダヲ(杉下役)の起用だったりする。
『木更津キャッツアイ』シリーズを始めとする、
テンション高い演技をされたらどうしようかと思っていたけど…
予想外にとても抑えた演技を魅せてくれたので彼のことを見直す良い機会となった。
金子ノブアキ(三郎左役)の役柄は素直に役得だね。
予告編でも使われていた村松崇継の音楽が物語のハイライトでも流れ、とても頭の中に残る。
劇中で描かれる情感を助長させ、何度か涙が頬をつたった。
●満足度●
★★★★★

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2 Comments

湛 says..."後宮は不変?"
Elijahさん ご無沙汰しています。
観たい映画が来ないので映画館に行かないこの頃です。

原作は好きなのですが、実写化は??と正直思ってます。
史実と絡めたストーリーに面白さを感じているので、
好みのキャラなどは特に無く誰が演じても構わないんですけど、
それでも「え~???」なキャスティングを感じます。
阿部サダヲさんは概ね評価がよろしいようですね。
又、セットや衣装の美しさはシアターでないと堪能できなさそうです。
でも、男女が入れ替わっても後宮での闘いは同じ。
男妾達ならもっと荒々しい闘いをするのかと思ったけど。
これは映画でなく原作の問題ですね。
キャスティングにケチをつけましたが、
原作の藤波は太ったおっさんなのにスレンダーな佐々木さん、
同じく加納久通もおばちゃんなのに綺麗な和久井さん、
だけどあまりイメージを損ねていない感じは受けます。
水野の運命が原作と違っていたら観る気になるかも?
無関係ですが、よしながふみさんつながりで
『きのう何食べた?』を上手い役者で連ドラ化して欲しいですなあ。
2010.10.13 15:42 | URL | #nxzuATHA [edit]
Elijah(管理人) says..."湛さん。"
湛さん

こんにちは。お久しぶりです。
『どうされているのかな?』と思っていた矢先にコメントを貰い、嬉しく思います。

僕も好きな漫画の実写映画化に関してはイメージを壊されることが多いので、
映画館まで観に行こうとは余り思わないのですが(最近だと椎名軽穂の『君に届け』です)、
この作品だけは素直に観たいと思ったんですよね。
それはなぜかと言うと、よしながふみの漫画は
彼女が描く物語の構成自体がしっかりしているからです。
なので映画化の際も物語自体(=脚本)が面白いので、
余程じゃない限り駄作にはならないだろうと踏んでいました。
確かに杉下(阿部サダヲ)と藤波(佐々木蔵之介)は原作漫画とイメージが違いますよね。
阿部さんはその辺りを気にされていたのですが、結果的に引き受けたそうです。
水野の運命は原作漫画と同じです。
鶴岡(大倉忠義)はエピソードが膨らまされています。
どうやらよしなが氏は設定を男女逆転にしただけで、基本は史実に忠実に描く方針のようですね。
『きのう何食べた?』は確かに実力派俳優で実写映像化されたら面白そうですよね。
ただ、主人公がGAYのカップルなので
日本のショービズ界(メジャー)での実現は難しそうですよね。
湛さんが“漫画”を読まれていることに意外性を感じました。笑
2010.10.13 17:04 | URL | #d/k.Dt.. [edit]

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